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『 大学と政治 』
 近代日本の大学の自治、その建設と破壊
瀧川幸辰 著
(たきかわゆきとき)
6,300円+税 人文社会
日本史
ISBN978-4-910213-49-1 C0021 四六判上製 352頁 2024/5刊  
学問を権力・財力・俗論から守る! 理念とその実践者たち――大学の自治をめぐる戦いのドラマ。
学問の自由(憲法第23条)の核心。大学の理念は帝国大学時代 から進歩しているのか、後退しているのか。 京都帝大法科の精神と瀧川事件のあとさき。死して生きる道の記録。
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『近代日本新聞史 内幕篇』 読者・広告・経済・競争
伊藤正徳 著 5,900円+税 人文社会
日本史
ISBN978-4-910213-48-4 C0021 四六判上製 352頁 2024/3刊  
近代新聞の精神/日本新聞の現実――“社会の木鐸”から“飛ばし”“押し紙”“積み紙”まで
新聞が良くならなければ、社会は良くならない。――『近代日本新聞史』の続編として、 新聞社の要職経験者が業界事情をさらにクローズアップして具体的、経験的に語る、生の現実。 世界の中の日本の新聞、日本社会の中の新聞、そして新聞人の人生。
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『自然法の再生』
ジョゼフ・シャルモン 著
大澤章 訳
5,900円+税 法律
ISBN978-4-910213-47-7 C0032 四六判上製 320頁 2024/2刊  
近代から現代へ――自然法がもつ意味を問う。政治の手段、利益の技術にすぎない法のあり方への抗議。
人權、憲法・国際法を自然法が基礎づけた時代から数世紀。対立する各宗教は存続し、世界国家の成立もない現代において、 宗教者にも非宗教者にも共通するべき正義の基礎、理想への信念ないし信仰としてある自然法。 自然法という名の法律的理想主義の意味の変遷を説き、自然法を否定する諸学派においてもそれを避けえない事情を明るみに出す。
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『近代日本判例批評集』
 新編 判例百話 / 有閑法学 / 続有閑法学
穂積重遠 著 6,900円+税 法学
ISBN978-4-910213-46-0 C0032 A5判上製 320頁 2024/1刊  
「家族法学の父」の平易な名著三冊を再編。各話読み切りの面白い裁判エッセー二百数話。
人の争い、法の白黒。法学の素養なしに理解できる語り方による、庶民の実践的法学入門。争われている「それ」は誰のもの / 権利 / 罪なのか。――その理論と解釈。 旧法の規定する家族制度を批判、近代的な家族観に基づく家族法学の基礎を築き、「家族法学の父」と呼ばれた穂積重遠が豊富に残した一般向けの判例批評エッセーから特に面白いものを集成。 法律の民衆化を志し、法文、判決文の口語化を主張した著者の問題意識と課題。過去の話でもあり、あるいは今も曖昧に残る感覚でもあり、 そして今も変わらぬ話でもある、具体的紛争の数々。
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『刑罰・法学・歴史性』
瀧川幸辰 著 6,300円+税 法学
ISBN978-4-910213-45-3 C0032 A5判上製 256頁 2023/12刊  
歴史的視点による教養の刑法入門――死刑廃止と犯罪抑止の法学的歴史
刑罰と刑法はどこから来てどこへ行くのか。刑法の歴史性を具体的な人物と事情から明らかにする。 哲学思想と批判精神が法学と法治の進化を駆動してきた歴史の実例。 日本の刑法学の基礎を築いた瀧川幸辰の刑法の歴史面に関する論考集。
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『個人と世界と法哲学』
 人類史と思想史から法哲学の場所へ
恒藤恭 著 6,900円+税 法学
ISBN978-4-910213-44-6 C0032 A5判上製 320頁 2023/11刊  
人類史のなかの法哲学――歴史的に広く見わたされた法哲学の場所と諸課題
法と哲学の関係は人間の歴史の各ステージにおいてどんな意味を持ってきたか。そして「現代」というステージにおける法哲学の役割は何か。 困難な時代に左派自由主義の法哲学者として活躍した恒藤恭。保守的性格が極めて濃厚な法の世界を個人主義の哲学的立場から基礎づけ、 世界戦争を経た「現代」において倫理的自由からさらに法的自由へと進む道の意味を説く。書肆心水の選定による論文集。
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『記憶理論の歴史』
 コレージュ・ド・フランス講義 1903-1904年度
アンリ・ベルクソン著
藤田尚志、平井靖史 ほか訳
3,600円+税 哲学
ISBN978-4-910213-43-9 C0010 A5判上製 416頁 2023/10刊  
伝統の名講義シリーズ、第二編。ベルグソン自身によるベルグソン哲学解説。 その難解さで知られる『物質と記憶』(1896年)の中心概念誕生の舞台裏と『物質と記憶』出版後の理論の発展を説く、 最高の『物質と記憶』入門。ベルグソンの時間と心の哲学の根本概念である「記憶」の独自性はどこにあるか、わかりやすく一般聴衆に向けて語る。
「『時間観念の歴史』と同じくプロの速記者のおかげで一語一句復刻されたこの講義録は、 著者のアイデアをそのモチベーションにまで遡りつつ明瞭かつ雄弁に語り直してくれている。事例は豊富に追加され、 文脈はより具体的に示され、概念はより詳細に――哲学者自身の声で――解説される。これまで見通しの悪かった数々の論点に、 かつてない光量のスポットライトが当てられ、コアとなる概念の解像度が一気に上がる。」  (訳者解説 平井靖史)
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『近代日本新聞史』
 近代新聞の誕生から敗戦占領下での再生まで
伊藤正徳 著 5,900円+税 人文
日本史
ISBN978-4-910213-42-2 C0021 四六判上製 352頁 2023/9刊  
言論(主張)と報道(事実)と国の進路。新聞の必要性と存在意義はどこにあるか――歴史が問う。
近代化と民主化の中で新聞と記者はいかに輝き、資本主義の進展と戦争の中でいかに死んだか。 新聞会の重鎮として要職を歴任した著者がリアルに記録した歴史的労作。
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『国家と法と正義』
和田小次郎 編訳 4,400円+税 法学
ISBN978-4-910213-41-5 C0032 四六判上製 256頁 2023/7刊  
正義が共同体的なものになるとはどういうことか。古代ギリシア・ローマ思想から近代民族主義思想まで、 ヨーロッパ精神における正義観念の法学的特徴と要所が示された数編を編訳した概説書。 激動する国際状況において国家の正義を再考すべき今、国家と法と正義の関係を法哲学の立場で考える。
  国家の生活原理としての正義………J.ビンダー    正義………M.リュメリン
  法の原理としての公正………………A.ラッソン    正義………G.デル.ヴェキオ
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『人間・自然法・実定法』
 ――法の歴史性をめぐる法哲学
和田小次郎 著 6,900円+税 法学
ISBN978-4-910213-40-8 C0032 A5判上製 320頁 2023/6刊  
法学の二大概念と人間性から問う根本的な法哲学。法と法規を区別することが法論議に持つ大きな意味を示す。
尾高朝雄と共に日本法哲学会を創設し、日本の法哲学を社会に開かれたものにする試みに着手するも、尾高同様50代で突然死去し、 その後「忘れられた法学者」となってしまった進歩的法学者和田小次郎。その主要著作を一書に。 人間とはいかなる存在かという問いから法の歴史性を考える異色の法哲学的人間学を経由して、自然法と実定法の関係における法の歴史性を理解する法哲学を提唱。 法規だけを法と考える立場を批判し、法規の背後で歴史的に生成変化を続けていく生きた法をとらえる理論を示す。 法をめぐる闘争を高い次元から見る“世界史の法廷”の視点。
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『満州問題・日露戦争・終戦交渉』
 ―― 小村外交と国際政局 1901 - 1905
外務省 編著
(信夫淳平 原著)
6,900円+税 近代史
ISBN978-4-910213-39-2 C0020 A5判上製 320頁 2023/5刊  
占領侵略、交渉決裂、開戦、戦局、講和。濃密な五年間。世紀をこえる権威主義ロシアの侵略と外交の手法。
 小村「貴下の言はあたかも戦勝国を代表する者の如くである。(笑)」
 ウィッテ「ここには戦勝国なく、したがって戦敗国もない。」
―― 敗戦を認めないロシアとの講和の経験。いかなる条件が揃ってそれは可能になったか。 日本の外務当局の立場と見解を克明に伝える第一級の外交歴史著述。多数の引用資料、旧時代式の表記を読みやすく調整した現代版。 濃密な五年間の軌跡を、外相小村寿太郎の具体的折衝の詳細な記録が明かす。
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『天皇と軍隊』
 ――近代日本国家起動の力、その起源と確立
田中惣五郎 著 5,900円+税 日本史
ISBN978-4-910213-38-5 C0021 A5判上製 288頁 2023/4刊  
近代日本国家機構の頂点と土台、その創出と連結。一面傲慢、一面卑屈。この人間像を形成した国内事情と国際事情。
幕末の動乱から明治維新の国家統合、そして立憲君主国として先進世界と関わってゆくための道において、天皇はいかにして天皇となり、 軍隊はいかにして軍隊となったか。地政学的条件が生み出したものとしての近代日本国家の天皇と軍隊の連結。 日本が今なお脱しえずにいる因縁の歴史的成立事情をたどる。
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『国際法・国際政治・法哲学』
 ――自然法の歴史から世界法の概念まで
恒藤恭 著 4,900円+税 法律
ISBN978-4-910213-37-8 C0032 A5判上製 256頁 2023/3刊  
近現代世界動乱の焦点、国際法の歴史性と可能性。問われる国際法の存在/実効性の基盤を説く。
国際法が関係する国際政治を論じることの難しさはどこにあるのか。その複合的で重層的な概念構造を歴史的かつ哲学的に示す。 国際法がもつ近代性から、世界法、世界国家の概念とその可能性の意義までを視野に収めた原理的考察。 革新派法哲学者恒藤恭の多数の著作の中から国際法と国際政治の関係を論じた主要論考を一冊に。
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『日本の自由民権と民権家』
 人物の系譜と運動の運命
田中惣五郎 著 6,900円+税 日本近代史
ISBN978-4-910213-36-1 C0021 A5判上製 352頁 2023/2刊  
近現代日本自由民主主義の原点、その光と闇。日本が平等へと向かう道の困難の原構造、自由民権運動。 元勲、官僚、インテリ、庶民――。それぞれの民権家はどこから来て、運動はどこへ向かったか。多数の主要民権家の出自と経歴を考察し、 民権家相互の関係から自由民権運動の全体像と運命を描き出す。複数の層をなす民主化それぞれの動機、性質、限界。 自由民権運動の不徹底さはその時代の人々のみならず、後世子孫にまで害毒をもたらしてきたという見方を持つ著者が、 自由民権運動を批判的に評価する。
 【目次】○日本の自由民権  ○自由民権家とその系譜  ○附録 民主主義弾圧法規
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『英米法と法の近代』
 法律諸体系の歴史と原理の法学的/哲学的諸解釈
ロスコー・パウンド 著
高柳賢三 訳
6,900円+税 法学
ISBN978-4-910213-35-4 C0032 A5判上製 288頁 2023/1刊  
法の歴史性と法の近代性を見据える法学の主体性。主要な法律史観の考察を通じて英米法近代化の意味を示す。
何が法律の根拠となり理念となってきたのか。宗教、哲学、民族性から政治、経済、個人の力まで、法律のありようを方向づけた主要素を批判的に評価。 法律近代化の精神を示し、新時代のために法律を形成する力はいかにあるべきかを説く。 安定性と変化性という矛盾する課題を常に原動力とすべき法の立場を深く究め、変化する現実に対応する立法、司法、法学の主体性を問う。
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『ニーチェの身体/屍体』 上巻
 ―― 美学、政治学、予言をめぐって、あるいは、
      日常生活のスペクタクルとしてのテクノカルチャー
ジェフ・ウェイト 著
福井和美 訳
4,500円+税 哲学
ISBN978-4-910213-33-0 C0010 A5判上製 448頁 2022/12刊  
伝染するニーチェ、ニーチェとニーチェ主義。ニーチェの政治的評価、ニーチェの秘教主義という難問の最深部へ。 死んだニーチェはその屍体(言語資料体)からニーチェ主義という生きて動く身体を作り続けている。 ――このニーチェとニーチェ主義を連結するメカニズムの理論化のために、ニーチェの既刊・未刊テクストを徹底した正確さで調査。 問われているのは、死せるニーチェ(corpse)、その著作(corpus)と、ニーチェ死後の生けるニーチェ主義という身体――右翼の、 中道の、とりわけ左翼の集団(corps)――との関係であり、ニーチェの秘教主義に対する我々の態度である。
  1 ニーチェ、敵対者としての唯一のポジション
  2 解釈を超えるチャンネリング
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『ニーチェの身体/屍体』 下巻
 ―― 美学、政治学、予言をめぐって、あるいは、
      日常生活のスペクタクルとしてのテクノカルチャー
ジェフ・ウェイト 著
福井和美 訳
4,500円+税 哲学
ISBN978-4-910213-34-7 C0010 A5判上製 448頁 2022/12刊  
伝染するニーチェ、ニーチェとニーチェ主義。ニーチェの政治的評価、ニーチェの秘教主義という難問の最深部へ。 死んだニーチェはその屍体(言語資料体)からニーチェ主義という生きて動く身体を作り続けている。 ――このニーチェとニーチェ主義を連結するメカニズムの理論化のために、ニーチェの既刊・未刊テクストを徹底した正確さで調査。 問われているのは、死せるニーチェ(corpse)、その著作(corpus)と、ニーチェ死後の生けるニーチェ主義という身体――右翼の、 中道の、とりわけ左翼の集団(corps)――との関係であり、ニーチェの秘教主義に対する我々の態度である。
  3 ニーチェの秘教性記号論
  4 グラムシからディックへの「トラスフォルミズモ」、あるいは、
     日常生活のスペクタクルとしてのテクノカルチャー
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時代と無限と 『大乗の菩薩道』
 ―― 仏教研究 / 歴史意識 / 社会性
木村泰賢 著 6,900円+税 仏教
ISBN978-4-910213-32-3 C0015 A5判上製 320頁 2022/11刊  
物質文明時代の仏教が教える歴史性と社会性。出家道と在家道の断絶を超える大乗菩薩道の「自利他利同時」。 解脱とよりよき世界の建設は矛盾するか。 「観念の浄土」と「実在の浄土」の対立から「生成の浄土」へ。大乗主義と小乗主義の対立を総合する立場。 限りない欲望を苦悩の原因として捨離することのみを趣旨とする小乗的立場を超えて、欲そのものの根本をつきつめて、 そこに理想の根拠を見出す菩薩道。大乗と呼ばれるようになる契機としての「自利他利同時」思想、 内へ向かう事と外へ向かう事の一致の意味を説く。
  第一篇 仏教の基礎的観念         第三篇 菩薩道と浄土
  第二篇 菩薩道より見たる人生の意義    第四篇 自省と修養
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生命と欲望と 『仏教の解脱論』
 ――古代インドから近代にわたる思想史における
木村泰賢 著 6,900円+税 仏教
ISBN978-4-910213-31-6 C0015 A5判上製 320頁 2022/10刊  
生命のありかたから展開する仏教的自由。近代仏教学の開拓者が仏教的解脱の個性を歴史的に明らかにする。 生命の三相である持続(食欲)、拡大(性欲)、自由(遊戯欲)から出発し、宗教意識自体を生命活動の本質において考察。 全ての宗教が何らかの形で解脱の要求を背景とする中で、仏教の解脱がもつ個性を明らかにし、とりわけ大乗仏教へと仏教が展開したことの意義を他の宗教や思想との対比においても示す。 運命と自由は仏教においていかに理解されるのか。
 第一篇 生命観より解脱問題への進展    第三篇 現代生活と仏教
 第二篇 原始仏教より大乗仏教へ      索 引
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『伊藤博文を語る』 ――人柄・政治・エピソード
金子堅太郎ほか 著 6,300円+税 歴史
ISBN978-4-910213-30-9 C0020 A5判上製 256頁 2022/9刊  
親近者が語る人と政治の実像。 部下として明治国家の制度設計などに深く関与した金子堅太郎が語る、人間性と政治の両面から見た伊藤博文入門。 憲法と議会をはじめ近代日本の根幹をなす各制度を、伊藤と共に設計構築した金子堅太郎、井上毅、伊東巳代治らの活動。 その実像を伝える話としても貴重な歴史的証言が、天皇主権で国をまとめた伊藤たちの思想と行動、明治政官界の空気をリアルに示す。 追頌基調の語りの中に伊藤の欠点や弱点も指摘され、感情面をも含めた伊藤の人物像を浮き彫りにする。(平塚篤編)
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『伊藤博文の国際政治』  上編
春畝公追頌会 著
 (代表者金子堅太郎)
6,900円+税 歴史
ISBN978-4-910213-28-6 C0020 A5判上製 320頁 2022/8刊  
『伊藤博文伝』中巻・下巻(1940年春畝公追頌会刊行)より国際政治に関する章を抜き出して再構成。 近代日本を建設した最大の宰相、その外交の覚悟。書簡等の豊富な一次史料で読む、生の歴史の醍醐味。 欧米進出の脅威に曝され、憲法を制定し、条約を改正し、日清戦争、日露戦争に勝利し、韓国併合へと至る、日本近代国家の国際的進路。 その基本構造を、常に国家運営の中心にあった伊藤博文の主体性から理解する。内情と機微を語る伊藤博文ら顕官の書簡、公式発表や条約、 講演や外交対話の記録等、多面的で豊富な一次資料で読む歴史の醍醐味。国際関係が再び激動期を迎え、その再編が模索される今、日本外交の原点を省みる。
[上巻] 憲法制定の準備 / 欧洲憲法の調査 / 朝鮮事変と天津条約 / 帝国憲法の制定 / 条約改正問題 / 日清戦役
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『伊藤博文の国際政治』  下編
春畝公追頌会 著
 (代表者金子堅太郎)
6,900円+税 歴史
ISBN978-4-910213-29-3 C0020 A5判上製 320頁 2022/8刊  
『伊藤博文伝』中巻・下巻(1940年春畝公追頌会刊行)より国際政治に関する章を抜き出して再構成。 近代日本を建設した最大の宰相、その外交の覚悟。書簡等の豊富な一次史料で読む、生の歴史の醍醐味。 欧米進出の脅威に曝され、憲法を制定し、条約を改正し、日清戦争、日露戦争に勝利し、韓国併合へと至る、日本近代国家の国際的進路。 その基本構造を、常に国家運営の中心にあった伊藤博文の主体性から理解する。内情と機微を語る伊藤博文ら顕官の書簡、公式発表や条約、 講演や外交対話の記録等、多面的で豊富な一次資料で読む歴史の醍醐味。国際関係が再び激動期を迎え、その再編が模索される今、日本外交の原点を省みる。
[下巻] 日清戦役(承前) / 日清戦後の情勢 / 日露戦役 / 韓国の監理
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『軍備と想定敵国』  ―― 世界戦争時代の経験
伊藤正徳 著 6,900円+税 歴史
ISBN978-4-910213-27-9 C0020 A5判上製 288頁 2022/6刊  
民主国の軍備選択は「想定敵国」なくして可能か。国民の選択としての軍備はいかに具体化されるべきか。
「すべての軍備の根底は〈想定敵国〉でなければならぬ」――これは過去の思想か、普遍的標準か。 軍事と政治の交点にある軍備選択を決定する公論の条件をめぐる具体的考察。 軍備が領土と利権拡大のための生産的事業であった時代が終わり、軍備縮小が国民的要求となった現代における合理的軍備選択の理路。 「必然的想定敵国」から、「可能的想定敵国」、そして十中八九戦わざる純地理的な想定敵である「便宜的想定敵国」まで、 議論のグラデーションを示し、武装論議の本質を考える歴史的実例。
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『極東動乱 出先外交経験秘話』
 ――葛藤するロシア、中国、韓国、日本
林権助 著 6,300円+税 歴史
ISBN978-4-910213-26-2 C0020 A5判上製 256頁 2022/5刊  
極東地政学問題の原型、ロシア/中国/朝鮮/日本。出先外交責任者の裁量と人情を語る一級の史料。
対韓工作の三人男(桂太郎、小村寿太郎、林権助)と称された、駐韓・駐支公使。事なかれ主義官僚の枠を超えた政治判断と人情、 本省との距離感、軍部との微妙な関係、折衝のセンスとテクニック。くだけた語りで、後代の常識からは批判される行為についても主体的に証言し、 当時の空気を生々しく伝える一級の史料。
  第一部 就職以前       第二部 日清戦争、日露戦争、韓国保護国化
  第三部 世界大戦と新中国   第四部 世界大戦戦後処理からワシントン体制へ
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『法律と哲学 / 法律の哲学』 関係性・歴史性・普遍性
高柳賢三 著 6,900円+税 法律
ISBN978-4-910213-25-5 C0032 A5判上製 320頁 2022/3刊  
現にある法とあるべき法 ―― 法律論になぜ哲学が必要か。 世界的で歴史的な広い視野から法哲学の立場を明らかにする。
1)法律の論理的、普遍的特質を明らかにすること。
2)法律の歴史的発展の基礎とその一般的特性を明らかにすること。
3)法律の合理的基礎としての正義理想を内省し、これによって成定法律秩序を評価すること。
―― この三つの任務をもつものとしての法律哲学の立場を初学者に対して示す、恰好の総合的法哲学入門。
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『カール・シュミット入門』
 ―― 思想・状況・人物像
ラインハルト・メーリング 著
藤崎剛人 訳
1,800円+税 法律
政治
ISBN978-4-910213-24-8 C0032 四六判 256頁 2022/2刊  
生けるシュミット、思想と人物、その脱神話化へ。シュミット政治=法学の全体像に迫る研究の最前線。
進化を続けるシュミット研究の最前線に立つ総合的概説書。積年のシュミット研究から、シュミットの学問の体系と本質、人物像に迫り、 流行言説への安易な援用に再考を促す。自由主義法治国家の解体を分析したシュミットから今日の問いへ。
 1 序論――集団の政治的自由についての法理論   4 「第三の国(ライヒ)」の正当化
 2 「理念」から主権へ              5 一九四五年以後のカール・シュミット
 3 国法学による近代憲法の脱構築         6 影響力と時局性
                         年譜・文献・日本語版へのあとがき(2020年)
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『英米法の歴史と精神』
高柳賢三 著 6,900円+税 法律
ISBN978-4-910213-23-1 C0032 A5判上製 352頁 2022/1刊  
大陸法対英米法問題とは何か ―― 教養としての英米法入門。英米の経験主義的な「判例法主義」と大陸の「学説主義」の伝統的差異。 近現代世界をリードし席捲したスーパーパワー英米の基底にある正義と秩序のセンスとテクニックを歴史に即して理解する。
文化の各領域に見られる、理論的に対して実際的、書斎的に対して実験室的、演繹的に対して帰納的等々の言葉で表現されるアングロサクソン的性格の淵源であるイギリス法の伝統。 抽象的理念主義思想が退潮し、歴史と経験を踏まえた実際的行動選択の精密な議論が求められる現在、回顧し参照すべき知性と法治の伝統。 明治期に独仏大陸法を継受し、戦後は米国流憲法を制定した日本。独仏系思想の影響色濃い近現代日本の人文思想界の視野から外れがちな思想的伝統を知る基本文献。
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『日中衝突三十年 現地外交の志』
 ――道義的経済政策と侵略的軍事の抗争
堀内干城 著 6,300円+税 近代史
ISBN978-4-910213-22-4 C0020 A5判上製 256頁 2021/12刊  
現地に密接した合理的経済外交と軍事とのせぎあい 外務省対英米協調派の中国における実務の意義
二十一ヶ条要求から第二次大戦戦後処理まで、日中衝突三十年のあいだ日中外交本街道を歩み、そのうち二十年を続けて現地の実務当事者、 責任者として過ごした稀有な体験から「道義派と拡張派の抗争」の歴史を語る。現地社会に密接した具体的経済外交とそれに伴う日中関係の推移、 軍事的勢力の拡張が徐々に英米権益を圧迫し破局へと向かう状況、そして日本降伏後の中国における復興事業。
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『近代中国と列強の利権』
 ――積弱大国に展開する経済の国際政治
斎藤良衛 著 6,300円+税 近代史
ISBN978-4-910213-21-7 C0020 A5判上製 256頁 2021/11刊  
中国利権をめぐって錯綜する地政学的で地経学的な外交。満州事変以後の拡張主義による日本自滅の経済的背景。
ワシントン体制下、二つの世界大戦の間の時代状況を軸にアヘン戦争以来の歴史を振り返り、その先を展望する、同時代国際政治批評。 協調主義から群雄割拠、合縦連衡を経て再び協調主義へ。帝国日本の満州事変以後の拡張主義による自滅の歴史的背景となる、 近代中国における国際的経済事情の概要。
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『日米開戦 最終交渉の経験と反省』
 ――駐米大使の回想日録と戦後処理
野村吉三郎 著 6,900円+税 近代史
ISBN978-4-910213-20-0 C0020 A5判上製 320頁 2021/10刊  
国政における外交の意味を問う近代日本最大の経験。成功の見通し暗い交渉の最前線、当事者の歴史的証言。
真珠湾攻撃と前後した対米最終回答を宣戦布告とする、今なお広くみられる誤解についても終戦翌年には事実を公にした重要文献。 『ハル回顧録』他、今日多方面から明らかにされている関連史実に照らし、外交交渉の最前線で行われていた折衝はいかなる意味があったのかを反省する基本史料。 ルーズヴェルト大統領とは九回、ハル国務長官とは六十余回に及んだ折衝の回想日録を中心とする『米国に使して――日米交渉の回顧』と、 終戦直後の反省と課題を語った『アメリカと明日の日本――『米国に使して』の続篇』の合冊版。
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『近代日本外交百年史』
 ――開国から国際連合加盟まで
外務省 監修(1962年) 6,900円+税 近代史
ISBN978-4-910213-19-4 C0020 A5判上製 384頁 2021/9刊  
外交当局の視点で示す一連の史実の有機的連関。現代の本の構造を形作った敗戦への経緯を一つの流れで語る。 近代から現代へ、国の根本的なありかたが常に国際関係に左右されてきた日本。開国による国際関係への参加から、百年を経て振り出しに戻った現代日本。 その構造を形成した百年の外交の一つ一つの史実の有機的連関。満洲事変から日米開戦までについては三分の一の紙数を費やし特に詳述。
 第1章…幕未の外交            第7章…太平洋戦争前史
 第2章…明治政府の成立より日清戦役へ   第8章…戦時外交と終戦外交
 第3章…日清・日露戦争と大陸政策の進展  第9章…講和への歩み
 第4章…第一次大戦とワシントン会議    第10章…講和から独立へ
 第5章…ワシントン体制下の外交      第11章…国交調整と国際連合加盟
 第6章…満洲事変と国際連盟脱退      日本外交史略年表  索 引
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『座談会 明治大正外交官秘話』
秋月左都夫、石井菊次郎、
栗野慎一郎ほか 著
6,300円+税 近代史
ISBN978-4-910213-18-7 C0020 A5判上製 256頁 2021/8刊  
激動する初期日本外交の機微を明かす当局者の肉声――条約改正から日清戦争、日英同盟、日露戦争、第一次世界大戦前後まで。 くだけた語りから当時の外交当局における支配的理解、共通の信念やセンスが見て取れる第一級の資料。 国際連盟脱退の時局において開催された座談会において、国際信義、国際条約の重視、誠実と穏健が近代日本の大をなしたという認識を示す。
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『満洲問題入門 』 ――植民・資本・政策・軍事
矢内原忠雄 著 6,900円+税 近代史
ISBN978-4-910213-17-0 C0020 A5判上製 320頁 2021/7刊  
ロシアの脅威の時代から中国ナショナリズムとの相克の時代へ――満洲国建国前後の問題の構造を多面的に明かす。 同時代のリアルポリティクスに学術性と批評性を標榜する研究はいかに対するか。植民政策学の泰斗による実践例。 ロシアの脅威に対する防衛として満洲に特別の勢力を張った段階から、中国のナショナリズムが高揚し、ワシントン会議において アメリカ主唱の下に中国における「特殊権益」が否定され、日英同盟も廃棄された段階に至るも、いよいよ「特殊権益」の地歩を固める日本。 あからさまな帝国主義的植民政策が行き詰まる時代において建国された満洲国を画期とする状況の諸問題。
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『革命ロシアの極東進出』 満州事変前夜まで
斎藤良衛 著 6,900円+税 近代史
ISBN978-4-910213-16-3 C0020 A5判上製 320頁 2021/6刊  
帝政ロシアと革命ロシアの地政学的連続性。中国勤務経験の長い外交官が語るリアルポリティクス。 帝国主義型の拡張主義とインターナショナルな開放思想のハイブリッド。その具体的行動であるソヴィエト・ロシアの 東方進出を地政学的視点から詳細に考察。第一次世界大戦後、満州事変に至るまでの時期、極東、とりわけ中国本部および 満蒙において革命主義のロシアはいかに活動を展開していたか。
 第1章 ソヴィエト露国の極東進出
 第2章 ソヴィエト露国のシベリア統一
 第3章 ソヴィエト露国の支那赤化
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『ロシアの満洲と日露戦争』
セルゲイ・ウィッテ,
アレクセイ・クロパトキン,
ニコライ二世/ウィルヘルム二世
大竹博吉 編訳
6,900円+税 近代史
ISBN978-4-910213-15-6 C0020 A5判上製 320頁 2021/5刊  
近代日本の進路における地政学的運命、対露関係。日清戦争から日露戦争への経緯をロシア側から照らし出す。 当時の満洲問題と日露戦争において第一義的な役割を演じた人物自身の状況認識と行動から明らかになる日露戦争問題の本質。 ロシア内部における主戦派と反戦派の対立関係、革命への趨勢が絡み合う複合的な状況。日本側からだけでは見えない歴史の多面的な実像。
 ・セルゲイ・ウィッテ……満洲占領からポーツマス媾和まで
 ・アレクセイ・クロパトキン……満洲悲劇の序曲
 ・ニコライ二世/ウィルヘルム二世……極東問題に関する露独両帝の往復文書
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『攻める外交 加藤高明』
 ――脱元老支配と日英同盟による国際戦略
伊藤正徳 著 6,900円+税 日本史
ISBN978-4-910213-14-9 C0020 A5判上製 384頁 2021/4刊  
総理大臣として知られる加藤高明の真価たる外交力。小村寿太郎と双璧をなす近代日本外交の雄、その思想と行動。 主義主張の人、加藤高明。小村寿太郎と並び称された外交の雄の、今では多く知られざるその外交の実際。「帝国」に栄光をもたらすとともに、 結局は加藤の意図を超えて昭和期の戦線拡大による惨事へと到りつく対満蒙積極政策の道をつけた加藤外交。その真実と意味を詳細に示す。
I 課長局長篇 / II 駐英公使篇 / III 第一次外相篇(伊藤内閣) / IV 第二次外相篇(西園寺内閣) / V 駐英大使篇 / VI 第三次外相篇(桂内閣) / VII 第四次外相篇(大隈内閣) / VIII 大戦外交篇(大隈内閣) / IX 日支交渉篇(大隈内閣) / 略年譜
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『法思想とは何か』
 ――法思想を法や法学や法哲学と区別することの意味
尾高朝雄 著 6,300円+税 法思想
ISBN978-4-910213-13-2 C0032 A5判上製 256頁 2021/3刊  
法学でも、法哲学でもない、「法思想」の領域を示す。単なる理想論、単なる現実論をこえた責任ある革新の条件となる法思想。 「理想論的原理主義」と「程度論的実務主義」の背反関係をこえて、責任ある革新の条件となる法思想の歴史性を見据えた法治の姿を示し、 法学のための法学をのりこえる、尾高法哲学の精神。一億総中流の幻想がはるか遠くに去った今、停滞しつつも変動する時代に求められる 新しい法哲学、法学、法制度がつかまなければならない「法思想」とは何か。
 緒 論……法思想とは何か     第2章……法思想の類型
 第1章……法思想のとらえ方    第3章……法思想の歴史
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『大正日本外交史 』
 ――覇道主義から大勢順応協調主義を経て協調破壊傾向へ
信夫淳平 著 6,300円+税 近代史
国際関係
ISBN978-4-910213-12-5 C0020 A5判上製 256頁 2021/2刊  
苦難と栄光の明治と協調破壊による自滅の昭和の間。大国の席を得て揺れる国是。
明治富国強兵の頂点たる自衛的日露戦争から、昭和軍国主義による侵略的戦線拡大路線へのあいだに位置する大正日本外交の概要。 第一次世界大戦に参戦し、国際政治において主要大国の席を得た大正日本外交の主要論点。 同時代の国際法学者が、形式的拘泥の弊に陥りやすい外交官僚的視角をこえて、批評的に時代の動きを分析。
 第1章……大戦参加と我が国位の向上     第6章……日露の再握手
 第2章……日支関係の推移          第7章……竜頭蛇尾の支那関税会議
 第3章……シベリア出兵の収穫        第8章……支那の治外法権撤廃運動及び日支通商条約改訂交渉
 第4章……ワシントン会議の決定せる三大問題 第9章……対外雑件一束
 第5章……米国排日法の投じたる「重大の結果」第10章……大正外交の総締め
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『明治二大外交 日英同盟と日露戦争』
 ――絡み合う欧米外交と日本外交
信夫淳平 著 6,900円+税 近代史
国際関係
ISBN978-4-910213-11-8 C0020 A5判上製 320頁 2021/1刊  
近代日本外交の頂点、その真実と意味。第二次大戦敗戦までの日本国家の進路を方向づけた地政学的運命。
桂太郎首相と小村寿太郎外相の時代、第二次大戦敗戦までの二十世紀前半の日本国家のありようと進路を決定的に方向づけた地政学的運命、 日露の緊張関係を、外交の史実から詳細に描き出す。日本はいかなる状況の中、国際政治としてどこまで押し、どこで引いたか、 臨場感ある駆け引きのディテール。
 上 篇 日英同盟の始末         下 篇 日露戦役の外交的考察
 第1章 第一回同盟成立の経緯      第1章 満洲問題の経緯
 第2章 第二回同盟協約の意義      第2章 戦局の推移と第三国の態度
 第3章 日英同盟の再改訂(第三回協約)  第3章 ポーツマス講和談判
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『サド侯爵夫人とその夫』
式場隆三郎 著 6,300円+税 伝記
ISBN978-4-910213-10-1 C0023 A5判上製 256頁 2020/12刊  
日本におけるサド論の嚆矢、夫婦関係に注目したサド入門。獄中の横暴無類の変質者によくかしずいた天使のような純情の女性。 長く獄中にあったサド宛の婦人の手紙を多数引用した、物語風の簡潔な夫妻の評伝。「サド侯爵夫人」「愛の異端者サド」の二部構成。 第二部のサド篇では『ソドムの百二十日』他サドの主要著作の梗概と歴史的背景を紹介。日本で初めて本格的にサドを論じた記念碑的著作。
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『文明の交差点の地政学』
 ――トルコ革新外交のグランドプラン
アフメト・ダウトオウル著
中田考 監訳
内藤正典 解説
3,600円+税 地政学
国際政治
ISBN978-4-910213-09-5 C0031 A5判並製 512頁 2020/11刊  
激動するグローバル地政学問題の最前線を文明の交差点に見る
池内恵氏推薦の言葉――「知る人ぞ知るまぼろしの地政学の名著、待望の全訳が現れた。その存在を広く知られながら、 主要欧米語の翻訳がなかった大著、新オスマン主義の世界戦略の書が今“蘇った"。トルコの外相・首相を歴任した文明思想家 ダウトオウルが国際政治史のパワーセンター・イスタンブールを主軸に構想する、もう一つの世界帝国がもたらす新しい秩序だ。」
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『第一次世界大戦への外交史1』
 ――ビスマルクから日露戦争まで
E・ブランデンブルク著
芦田均 訳
6,900円+税 近代史
国際関係
ISBN978-4-910213-07-1 C0020 A5判上製 352頁 2020/10刊  
現代世界の構造を決定した世界戦争に至る経緯。ヨーロッパ列強の利害による思惑と駆け引きの詳細と連鎖。 謀り謀られ、付いては離れ、望まざる全面戦争の渦に呑み込まれてゆくリーダーたち。 力関係の論理と感情の機微を外交文書に基づき生々しく描く第一級の史書。 (書肆心水版《芦田外交史》シリーズ完結。既刊『第二次世界大戦への外交史1・2』『両大戦間世界外交史』『第一次世界大戦外交史』)
 第1章 ビスマルク時代の回顧    第6章 サモア、ボーア戦争および揚子江条約
 第2章 ウィルヘルム二世の初期   第7章 岐路に立つドイツとイギリス
 第3章 下の関           第8章 日英同盟より英仏協商まで
 第4章 イギリスとロシア      第9章 モロッコ、日露講和およびビェールコ
 第5章 チェンバレンの同盟申し込み 第10章 アルジェシラス会議、ロシアの協商加盟
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『第一次世界大戦への外交史2』
 ――建艦競争からバルカン戦争と開戦まで
E・ブランデンブルク著
芦田均 訳
6,900円+税 近代史
国際関係
ISBN978-4-910213-08-8 C0020 A5判上製 352頁 2020/10刊  
現代世界の構造を決定した世界戦争に至る経緯。ヨーロッパ列強の利害による思惑と駆け引きの詳細と連鎖。 謀り謀られ、付いては離れ、望まざる全面戦争の渦に呑み込まれてゆくリーダーたち。 力関係の論理と感情の機微を外交文書に基づき生々しく描く第一級の史書。 (書肆心水版《芦田外交史》シリーズ完結。既刊『第二次世界大戦への外交史1・2』『両大戦間世界外交史』『第一次世界大戦外交史』)
 第11章ドレッドノート建艦競争        第16章バルカン戦争
 第12章ボスニア問題の危機          第17章最後の休息
 第13章大風一過               第18章大戦勃発
 第14章アガディールとトリポリ        第19章結論
 第15章英独の海軍制限交渉とホルデーン使節  外交事項索引
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『第一次世界大戦外交史』
 開戦前夜から講和会議と分割まで近東
芦田均 著 6,900円+税 近代史
国際関係
ISBN978-4-910213-06-4 C0020 A5判上製 384頁 2020/8刊  
現代世界の構造を決定した世界戦争を外交としてみる。日本の参戦と対中国事情、戦後の近東分割をも詳細に説く。 ヨーロッパの問題がいかにして世界化されていったのか、その大勢と機微を外交問題から明らかにする。“芦田外交史全五冊”のうち 第一次世界大戦を論じる部分を一巻に再構成。(書肆心水版シリーズ既刊『第二次世界大戦への外交史1・2』『両大戦間世界外交史』)
  第1篇 世界大戦中の外交      第2篇 休戦および平和
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『開国と興国と外交と』
 ――松濤閑談
牧野伸顕 著 6,300円+税 日本史
近代史
ISBN978-4-910213-05-7 C0020 A5判上製 256頁 2020/7刊  
急速に近代化する日本国家エリートの視点とセンスと経験と――中公文庫『回顧録』で広く知られる牧野伸顕、もう一つの回顧録。 大久保利通の子として生まれ、10歳での岩倉使節団随行に始まり、早くから内務と外務の空気に触れて育った国家エリート中のエリートが語る、 興味深い具体的事実の数々。官界・国際政治・皇室の事情に通じ、第一次世界大戦パリ講和会議では日本代表団事実上の首席として活躍。 老いてなお重きをなし、5.15事件、2.26事件でともに標的にされた重要人物が語り遺した、近代化日本のリアルな記録。 ※『松濤閑談』の改題新組復刻版(人物および事項注と年譜を増補)
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『第二次欧洲大戦 前史と緒戦』
 ――外交・思潮・人物像
清沢洌 著 6,900円+税 世界史
近現代史
ISBN978-4-910213-04-0 C0020 A5判上製 320頁 2020/6刊  
『暗黒日記』で広く知られる戦前のリベラリスト清沢洌。第二次世界大戦の震源ヨーロッパ、開戦前後の空気を伝える批評。 開戦当時何が知られ、何が知られていなかったか。戦前におけるリベラリストの代表格とされる清沢は何に注目したか。「戦争は善と悪との衝突ではない、正義と正義との衝突である」として、ヒトラーに対してさえも公平であろうとした同時代批評。あれほどの惨禍に至るとはまだ予想されていなかった時期における戦局展望と戦後展望の歴史的証言。
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『 山県元帥 』
杉山茂丸 著 6,900円+税 伝記
ISBN978-4-910213-03-3 C0023 A5判上製 352頁 2020/6刊  
再評価が進む「戦後の嫌われ者」山県有朋。伊藤博文と共に明治国家を運営した山県の情理を語り尽くす。
近代国家の建設に邁進する日本の軍政を創出して統率した山県有朋。其日庵杉山茂丸一流の語りが伝える 山県の人生と政治における情と理。山県、伊藤博文ら元老と直に交わった杉山茂丸の目に映る元老政治の舞台裏。
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『 民芸の意味 』
 道具・衣食住・地方性
式場隆三郎 著 6,900円+税 工芸
民芸
ISBN978-4-910213-02-6 C0072 A5判上製 320頁 2020/4刊  
日本諸国民芸の旅。実用の中にこそある美。技巧の末に堕ちた現代に民芸思想がもつ意味を示す。
すでに姿を消したもの、いまも使われ続けているもの。『二笑亭奇譚』の著者として広く知られ、柳宗悦と共に民芸運動を 推進した式場隆三郎が全国を歩いて見たものを語る体験的民芸論を集成。馬鹿の一つ覚え的な作業からこそ生まれる美、作家的 意識が生じたときに失われる美、実用とともにある美の意味を明らかにする。
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『両大戦間世界外交史』
 賠償問題・経済復興・軍備縮小
芦田均 著 6,900円+税 近現代史
国際関係
ISBN978-4-910213-01-9 C0020 A5判上製 416頁 2020/3刊  
混迷する賠償と戦債の問題、経済復興、軍縮会議。ナチスの勃興を招来するに至った国際政治の混迷する諸折衝。 欧米ソ連、三極構造の成立期、あるいはヴェルサイユ・ワシントン体制という国際秩序。戦後処理と再開戦のあいだに何があったのか。 “芦田外交史全五冊”のうち両大戦間期における困難な国際秩序構築の時期を論じる部分を一巻に再構成。
   第一篇 大戦後の欧洲        第四篇 ソヴィエト・ロシアの外交
   第二篇 アメリカ合衆国       付 録 第一次世界大戦戦後処理概説
   第三篇 軍備縮小会議
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『第二次世界大戦への外交史 2』
 ナチスの勃興から開戦まで 1933 - 1939
芦田均 著 6,900円+税 近現代史
国際関係
ISBN978-4-910213-00-2 C0020 A5判上製 416頁 2020/2刊  
外交と戦争のグラデーションを鮮やかに描く芦田均の外交史論。リアリティと緊迫感に満ちた外交の現場。
 第1章 ナチス・ドイツの勃興   第8章 チェッコスロヴァキアの崩壊
 第2章 ドイツの再軍備と欧州   第9章 嵐の前宵
 第3章 エチオピア制服      第10章 台風の中心ダンチッヒ
 第4章 スペイン革命と欧州    第11章 独ソ協定の成立前後
 第5章 独伊枢軸の結成      第12章 最後の十日間
 第6章 日支間の全面戦争     第13章 アメリカと欧州危機
 第7章 オーストリアの滅亡
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『第二次世界大戦への外交史 1』
  満州事変とその前史 1919 - 1933
芦田均 著 6,900円+税 近現代史
国際関係
ISBN978-4-906917-99-0 C0020 A5判上製 352頁 2020/1刊  
外交官〜政治家のリベラリスト芦田均の同時代認識
芦田外交史全5冊のうち、開戦への危機の時期論じる部分を2巻に構成しました。続刊 『2 ナチスの勃興から開戦まで 1933 - 1939』は2月刊行予定。 岩波文庫『第二次世界大戦外交史』で広く知られ、その詳細な記述が高く評価されている芦田均の外交史論。今はこれ自体も歴史という べき、当時第一級の人物による同時代認識の公的証言。リベラルとされる芦田は何を知らせ、訴えていたのか。
  第1篇 大戦後の中華民国   第2篇 満州事変
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『時間とヴァーチャリティー』
  ―― ポール・ヴィリリオと現代のテクノロジー・身体・環境
本間邦雄 著 3,500円+税 思想
ISBN978-4-906917-98-3 C0010 A5判上製 320頁 2019/12刊  
ポール・ヴィリリオの批評世界とその拡張。トーチカからモバイル端末まで。技術革新で変容する“現実”。 ポール・ヴィリリオの多面的議論を平易に解説し、ヴァーチャリティーなしではリアリティーが充分に構成されないような局面が 各所に広がる現代の状況を掘り下げる。
 序 章:今日のエレメント                第5章:時間の支配と差異化
 第1章:原型としてのトーチカ(掩蔽壕)          第6章:事故の博物館、偶有性としての時間
 第2章:走行圏世界――速度機械             第7章:都市、身体の行方と「恐怖」の管理
 第3章:ヴァーチャル世界の優位と世界の老化       第8章:分岐と時間多様性
 第4章:情報エネルギー炸裂社会とヴァーチャル世界の浸潤 終 章:脱オリエンテーションの思考
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『法と世の事実とのずれ』
尾高朝雄 著 6,300円+税 法学
ISBN978-4-906917-97-6 C0032 A5判上製 256頁 2019/11刊  
国民の感覚とずれた法治・行政はなぜ生じているのか
変わる世の中と安定性を要件とする法の間にある関係の基本構造。 法と社会の主要素(道徳・経済・政治)とのダイナミックな関係を問う尾高法哲学の基本的な問題系を平易に示す、尾高法哲学入門。
 第1章 法と事実の関係      第4章 法と政治的事実
 第2章 法と道徳的事実      第5章 成文法と慣習法
 第3章 法と経済的事実
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『極東裁判と国際法』
 ――極東国際軍事裁判所における弁論
高柳賢三 著 6,300円+税 政治
国際法
ISBN978-4-906917-96-9 C0031 A5判上製 256頁 2019/10刊  
国家ではなく個人を国際法で、かつ事後法で裁いた不法行為。倫理上の罪悪、国政上の責任と、国際法上の犯罪の 混同を批判する。政治が法治を力で押し切る現場の歴史的な記録。政治と法治、法と倫理の境界画定をめぐる法学的な理論闘争。 人類の近代的法治の歴史に深い傷とわだかまりを残した一大事件の現場である東京裁判の法廷で、簡潔に力強く示された反駁。 東京裁判における「侵略戦争は個人責任を伴う犯罪である」というテーゼが倫理的立場ではなく法的立場からは否定される理由を 明示する。
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『 不戦条約論 』
信夫淳平 著 6,300円+税 政治
国際法
ISBN978-4-906917-95-2 C0031 A5判上製 256頁 2019/9刊  
国際関係が不安定期に移行する現在、不戦の国際合意が実現した経緯をふりかえり、不戦の精神とその政治的技術 を具体的歴史において見る。国家間の不戦の約束は、いかなる事情で構想され、いかにして現実のものとなってきたか。不戦の約束 に伴って必要となる制度と解決すべき問題を歴史的経緯に即して詳説する、パリ不戦条約成立前夜に著作された歴史的基本文献。
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『天皇・憲法第九条』
高柳賢三 著 6,300円+税 法学
ISBN978-4-906917-94-5 C0032 A5判上製 288頁 2019/8刊  
九条の異常性を直視する第三の道――大陸法的解釈か、英米法的解釈か
改憲論議における不可欠かつ第一級の知見でありながら、長くかえりみられてこなかった「日本国憲法と大陸法/英米法問題」の 原点の書。九条幣原首相発案説の論拠として広く知られる本書の議論は、近代日本法学の主流である大陸法型の解釈と英米法型の 解釈の対立の問題を経て、そもそも憲法という法文はいかに解釈されるべきものかという問いに及ぶ。
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『批判的マルクス入門』
小泉信三 著 6,900円+税 社会科学
ISBN978-4-906917-93-8 C0030 A5判上製 384頁 2019/7刊  
“搾取"はいかに論じるべきものであるか――マルクスの言説における倫理(義憤)と科学を経済学的に峻別する
マルクスの説の価値はどこにあり、初学者が真に受けてはならない説は何であるか。昭和一桁の時代から夙にマルクスの学理に 対する本質的な批判を唱えてきた経済学者が説く、マルクス評価のためにまず知らなければならない基本的な問題点。 (書肆心水による論文選集)
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『 時間観念の歴史 』
 ――コレージュ・ド・フランス講義 1902-1903年度
アンリ・ベルクソン著
藤田尚志 訳
平井靖史 訳
3,600円+税 哲学
ISBN978-4-906917-92-1 C0010 A5判 448頁 2019/6刊  
伝説の名講義、ついに公刊!
百余年の時をこえて、いま我々がその講堂に着席する、恰好のベルクソン入門。哲学のアポリアは「時間」を適切に 扱うことによって解決されると考えるベルクソンが、古代以来の哲学史に自己の哲学を位置づける。
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『 軍隊と自由 』
 ――シビリアン・コントロールへの法制史
藤田嗣雄 著 6,900円+税 法律
ISBN978-4-906917-91-4 C0032 A5判上製 320頁 2019/5刊  
軍事に詳しい法制史学者のユニークな業績。具体的な法制化の歴史をたどり、文民統制の歴史的厚みを示す。 近世・近代・現代において、軍隊の制御はいかに進展してきたのか。主要各国(英米仏独日)ごとに歴史をたどり、その違いの意味を説く。
 序編 文権優越の意義 第1章 民主主義の意義、第2章 文権と武権、第3章 文権優越思想の形成及び滲透、第4章 文権優越の規範化
 第1編 文権優越の構造 第5章 軍隊の構成、第6章 軍隊の最高処理、第7章 軍 法、第8章 軍事命令及び規則
 第2編 文権優越の運用 第9章 法律の執行及び秩序の維持、第10章 非常事態の処理、第11章 戦争の指導
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『実定法秩序論』
尾高朝雄 著 7,200円+税 法律
ISBN978-4-906917-90-7 C0032 A5判上製 432頁 2019/4刊  
法哲学と実定法学を総合した金字塔――法の効力の根拠を探究する「ノモス主権論」の原点
法と道徳・宗教・政治・経済など社会の諸要素との関係、そしてさまざまな法思考の間の闘争を構造的に描き出し、法が実効性ある 法として存在していることの意味を総合的に明らかにする。
  第一章 法の立体構造      第四章 法の目的の対立と調和
  第二章 法の効力        第五章 国家と実定法
  第三章 法の効力の根拠
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『聴くヘルダーリン/聴かれるヘルダーリン』
 ―― 詩作行為における「おと」
子安ゆかり 著 4,000円+税 外国文学
音楽
ISBN978-4-906917-89-1 C0098 A5判上製 288頁 2019/3刊  
音楽からの視点ではじめて明かされるヘルダーリンの詩作の根源
従来のアプローチとは一線を画し、詩の音楽性や、詩の音楽的要素と楽音化された音楽との関係を論じるのではなく、詩作行為に おいて、「何か」としか言いようのないものをとらえることが「おと」を聴くという聴覚的な行為であることを論証する画期的労作。
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『天皇の起源 』
 ―― 法社会学的考察
藤田嗣雄 著 6,900円+税 政治思想
日本史
ISBN978-4-906917-88-4 C0021 A5判上製 320頁 2019/2刊  
権威と権力 ―― その法学的構造を明かす
天皇の支配と日本国家の成立の関係は法学的にはいかに説明されるか。カール・シュミットの「場序(Ortung)」概念から出発して 天皇の支配の形成から日本国家の成立までを法学的に探究するユニークな業績。
場序と支配の形成 / 支配の正当性 / 地母神の礼拝と天石窟の変 / ヤマト国家の成立 / 日神の礼拝と天照大神の成立 / 日本国家の成立 / 二〇世紀後半における天皇
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『 暴風来 』
 ―― 附 普通選挙の精神 億兆一心の普通選挙
上杉愼吉 著 6,900円+税 政治思想
ISBN978-4-906917-87-7 C0031 A5判上製 320頁 2019/1刊  
「国家は最高の道徳なり。」――日本という名の日本最大の宗教。その真髄を学問的に示す問題の書!
今なお私的領域あるいは公の陰の領域に広く根を張る日本的反民主主義思想の強さの秘密とは何か。天皇機関説をめぐる論戦で 美濃部達吉に敗北して以後、日本憲法学史から葬り去られ、闇の存在とされてきた東大憲法学講座担当教授上杉愼吉。近年その 存在の意味に対する関心が高まる上杉が、その思想を一般向けに分かりやすく語った三書の合冊版。日本は他の国と違うという 信念と日本型集団主義の精髄。民主主義の「うまくいかない現実」に対する批判として現れる「日本主義」の核心。 世界各地で国家主義が回帰するいま、国力の低下する「国難」日本で息を吹き返す反個人主義の日本型国家主義(集団主義)理念の原型。 個人よりも人のつながりを重んじ、国家を第一とするそれは、政体が変り、「国体」が死語となっても、日本人論として生き続けている。 こうした思想はなぜ根強いのか。民本と民主を区別することによって、ポピュリズムに堕す民主主義(主権在民)を批判し、国民のため (民本)の国家倫理の要に一点の私もない天皇を見て国民の統一を保つその論理は、天皇主権が廃止された後も、現代的に形を変えつつ 「民族的」な政治理念を支えるものとして存在し続けている。その思想の合理性/非合理性理解のために最適のテキスト。
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『ベルクソン『物質と記憶』を再起動する』
 ――拡張ベルクソン主義の諸展望
平井靖史 編・序論
村上靖彦、三宅陽一郎
バリー・デイントン ほか著
3,600円+税 哲学
ISBN978-4-906917-86-0 C0010 A5判並製 416頁 2018/12刊  
拡張ベルクソン主義宣言! 第三弾、完結編
時代にあまりに先駆けて世に出たがゆえに難解書とされてきた『物質と記憶』を、隣接諸領域の最新成果と接続しつつ 現代的に読み解く野心的シリーズ最終巻。シリーズ完結を機に、品切中の第一弾『ベルクソン『物質と記憶』を解剖する』を増刷。
  第1部 持続と生  第2部 意識と過去  第3部 緊張と拡張  人名索引・事項索引
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 笠間杲雄著作選集
 『〈戦前戦中〉外交官の見た回教世界』
笠間杲雄 著 6,900円+税 歴史
政治
ISBN978-4-906917-85-3 C0022 A5判上製 384頁 2018/11刊  
日本人エリートは近代化へと向かう両大戦間期のイスラーム世界をどのように見ていたか。 イランで初代全権公使として活躍した著者の体験的イスラーム世界論。中東から、東南アジア、満洲まで。 「東洋」として位置づけられた「回教圏」。
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『 道元伝 』
圭室諦成 著
(たまむろたいじょう)
6,900円+税 仏教
ISBN978-4-906917-84-6 C0015 A5判上製 352頁 2018/10刊  
わかりやすく読みやすい道元論の古典。道元はなぜ顕密諸宗を見限り、浄土門にくみせず、坐禅の道を歩んだのか? 腐った社会と共にある腐った宗教界を離れて本当の山へ。――道元の著作を多く引用して示す、道元の実践思想の核心。 仏教思想史・仏教社会史の中に道元を位置づける古典的入門伝記。第一作第二作合冊版。
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『ムスリム女性に救援は必要か』
ライラ・アブー=ルゴド著
鳥山純子,嶺崎寛子 訳
3,600円+税 ジェンダー
ISBN978-4-906917-83-9 C0036 四六判上製 352頁 2018/9刊  
ムスリム女性の権利という概念は何を覆い隠すか? 普遍的人権擁護の美名のもとに語られる〈他者〉の救済という リベラルファンタジーの強制。その言説構造と問題点を明らかにし、それにかわる、現実に即した公正さを提唱。
「本書は、ムスリム女性に権利はあるか、あるいは彼女たちに救いは必要なのか、という問いに対する長い回答である。(……) ムスリム女性には権利があるのかと問うのではなくて、“ムスリム女性の権利”や“抑圧されたムスリム女性”という概念がこの 世界でどう作用しているのか、その概念を利用しているのは誰かを問うべきだ、と私は提案する。」(本書結論より)
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時枝誠記 論文選
『言語過程説とは何か』
時枝誠記 著 7,200円+税 日本語
ISBN978-4-906917-82-8 C0081 A5判上製 384頁 2018/8刊  
言葉が通じない。言葉が通じる。その間にあるものは何か?
日本語のありようからソシュールをこえる言語学を提唱――単行本未収録の重要論文により言語過程説の全貌に迫る。 言葉が通じることを前提とした言語学ではなく、言葉がどのようにして通じるものとなるのか、その条件を探求する言語過程説。 言語過程説を成り立たせる多様で相互に連関する重要論点を執筆年順に網羅し、その思想の進化と全体像を示す。
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『時枝言語学入門 国語学への道』
  ―― 附 現代の国語学 ほか
時枝誠記 著 6,900円+税 日本語
ISBN978-4-906917-81-5 C0081 A5判上製 384頁 2018/7刊  
言語の本質は何か? 時枝誠記の学問的自伝、時枝自身による時枝言語学入門。
ソシュールらを模倣した近代日本言語学を批判し、日本語に即した日本語研究として構築された「言語過程説」の由来、精神、方法、 歴史。『国語学原論(正続)』『国語学史』以降の時枝思想のエッセンス。近代型普遍化主義の迷妄を学問的に批判しうる特異な ポジションにある日本言語学の意義を明らかにする。
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『廃仏毀釈とその前史』
  ―― 檀家制度・民間信仰・排仏論
圭室諦成 著
(たまむろ・たいじょう)
6,300円+税 仏教
ISBN978-4-906917-80-8 C0015 A5判上製 256頁 2018/6刊  
仏教に対する批判はどのように深まっていたのか。
幕藩体制三百年において変質・形骸化・堕落していった仏教。その仏教に対する批判。そしてその当然の帰結 と言うべき廃仏毀釈。明治維新の混乱に乗じ、明治政府の意図をこえた極端な廃仏運動が全国的に展開したのは何ゆえか。 幕末にはすでに発火点に達していた廃仏毀釈への傾きを、社会経済的事情と宗教が絡み合う長期の歴史において明らかにする。
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『上世日本の仏教文化と政治』
 ―― 導入・展開・形式化
辻善之助 著 7,400円+税 仏教
ISBN978-4-906917-79-2 C0015 A5判上製 384頁 2018/5刊  
日本の仏教はなぜこのようなありかたをしているのか?
日本仏教はなぜ国家的であるのか、脱世間的であるべき仏教がなぜ世間的になったのか。――仏教の導入から展開への具体的史実から 明らかにする。史料の記述を豊富に本文に織り込んで親しみやすく具体性に富んだ、仏教文化史研究における圧巻の古典的研究の 特に注目すべき部分を抄録した読本版。
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『アメリカのユートピア』
 ―― 二重権力と国民皆兵制
フレドリック・ジェイムソン、
柄谷行人ほか 著
スラヴォイ・ジジェク 編著
3,500円+税 現代思想
社会
ISBN978-4-906917-78-5 C0010 四六判上製 384頁 2018/4刊  
国民皆兵制というユートピア?!
解放された社会に関する左翼のスタンダードな観念を根底的に 問い直す話題作、国民皆兵制を提唱するジェイムソンの長篇論考「アメリカのユートピア」(原書2016年刊)を受けて、柄谷行人著 「日本のユートピア」、ジジェク著「想像力の種子」ほか九つの寄稿がジェイムソンの問題提起に応答。 ジェイムソンの「アメリカのユートピア」をさまざまに批判しつつも、左翼的プロジェクトの根底的再考の必要性においては一致する諸論考から 浮かび上がる、現代左翼理論の真の課題とは何か。
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『ドゥルーズ=ガタリにおける政治と国家 』
 ―― 国家・戦争・資本主義
ギヨーム・シベルタン=ブラン著
上尾真道、堀千晶 訳
3,900円+税 哲学
ISBN978-4-906917-77-8 C0010 四六判上製 352頁 2018/3刊  
ミクロ政治学として知られてきたドゥルーズ=ガタリにおけるマクロ政治学の力を解放すべき時代の到来を告げる 画期的力作登場! ドゥルーズ=ガタリ政治哲学の核心を構造的に解明する。
第1部 原‐暴力――国家という前提          第4章 定式と仮説――国家による領有と戦争力能の系譜学
 第1章 史的唯物論と国家‐形式の分裂分析     第3部 内‐暴力――資本主義公理系
 第2章 捕 獲――国家力能の本源的蓄積概念のために  第5章 資本の公理系――諸国家と世界規模の蓄積
第2部 外‐暴力――戦争機械仮説            第6章 マイノリティへの生成変化、革命的なものへの生成変化
 第3章 遊牧論――戦争機械仮説へ向けて       結 論 ミクロ政治は起こらなかった
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『自由・相対主義・自然法』
 ―― 現代法哲学における人権思想と国際民主主義
尾高朝雄 著 6,900円+税 法哲学
ISBN978-4-906917-76-1 C0010 A5判上製 384頁 2018/1刊  
民主主義に対する倦怠感が兆し、リベラリズムが空洞化する時代への警鐘と指針。ノモス主権論の構築と並行して 練り上げられた自由論を集成。戦後の国際秩序を支えてきた理念を無視する力による世界の再編が進行し、リベラルな国際秩序が グローバルな特権層の活動の場とみなされ、格差が再び拡大する現在、共産主義理念が国政の現実的選択肢としてはもはや存在せず、 リベラルの空洞化が有害なレベルにまで達した社会にいかなる道がありうるか。近代から現代への思想史的理路を確認し、 「現代」の基盤を示す、現代法哲学による自由論。
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『雄弁の道 ―― アリー説教集』
アリー・イブン・アビー・ターリブ著
黒田壽郎 訳
3,300円+税 宗教
ISBN978-4-906917-75-4 C0014 A5判上製 288頁 2017/12刊  
預言者没後のイスラームを示す第一級の古典、本邦初訳――四人の正統カリフの一人アリーの政治と宗教を自身が語る
神与の聖典クルアーンと無謬の預言者の言行録ハディースに対して、本書は、イスラームの教えを、カリフとして地上の社会において 具体的に実現することに一生涯を捧げたアリー(在位656-661)がその実践の道を説くものであり、預言者以後のイスラームの政治的実践 に関する第一級、唯一の古典である。若くから従兄の預言者に親しみ、預言者の妻に次いで入信し、男性としては最初の信者である アリーが、ムハンマドなきあとクルアーンとスンナ(ハディース)によっていかに生きるべきかを力強く説いた言葉の記録。
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『共にあることの哲学と現実』
 ――家族・社会・文学・政治
 フランス現代思想が問う〈共同体の危険と希望〉2 実践・状況編
岩野卓司 編著、合田正人、
郷原佳以、坂本尚志、澤田直、
藤田尚志、増田一夫、宮ア 裕助 著
3,900円+税 人文
思想
ISBN978-4-906917-74-7 C0010 四六判上製 320頁 2017/11刊  
変転する共同性、その現代的状況をとらえ、新たなありかたを問う、デリダ、ドゥルーズ、フーコー、バタイユ、 ブランショ、レヴィナスの理論からの展開。現代の世界や日本の状況を考えるうえでフランス現代思想の共同体論が参照可能か どうかを見きわめる試み。「フランス現代思想が問う〈共同体の危険と希望〉1 理論編」『共にあることの哲学』の続編。
 
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『ベルクソン『物質と記憶』を診断する』
 ――時間経験の哲学・意識の科学・美学・倫理学への展開
平井靖史 編・序論
藤田尚志 編
安孫子信 編
3,500円+税 哲学
ISBN978-4-906917-73-0 C0010 A5判並製 384頁 2017/10刊  
拡張ベルクソン主義宣言! 第二弾
時代にあまりに先駆けて世に出たがゆえに難解書とされてきた『物質と記憶』を、隣接諸領域の最新成果と接続しつつ 現代的に読み解く野心的試み。そのさらなる展開!
  第1部 読解の諸問題   第3部 科学との接続
  第2部 心と時間     第4部 芸術・道徳への展開
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『インド思想から仏教へ』
 ― 仏教の根本思想とその真髄 ―
高楠順次郎 著 6,900円+税 仏教
ISBN978-4-906917-72-3 C0015 A5判上製 352頁 2017/9刊  
インド思想から仏教へ、何が継承され、何が否定され、何が新たに生み出されたのか―― 仏教誕生の経緯と当時のインド思想を照らし合わせることで、仏教の本質を明確に示す
日本近代仏教学の創始者が、キリスト教・西欧哲学との比較の視点から、仏教の独自性を論証。無神論の宗教である仏教は、 希望に生きる宗教ではなく、覚悟に生きる人格完成への宗教であることを示し、仏教の根本思想である諸法無我、諸行無常、 三界皆苦、涅槃寂静の意味を明快に説く。『仏教の根本思想』と『仏教の真髄』(部分)の合冊版。
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『明治仏教史概説』
 ― 廃仏毀釈とその後の再生 ―
土屋詮教、
辻善之助 著
6,300円+税 仏教
ISBN978-4-906917-71-6 C0015 A5判上製 256頁 2017/8刊  
何があったのか? 現代日本仏教の出発点。 今では知る人も少ない廃仏毀釈時代の実際を史料で呈示。 徳川三百年間、伝統と保護とに鼾睡し来たった寺院僧侶が突然食らった廃仏毀釈の巨弾。 その強烈なる刺戟によって反省自覚し始めた現代日本仏教の出発点、その歴史を概説する。 土屋詮教著『明治仏教史』の全文と、辻善之助著『明治仏教史の問題』第一題の合冊版。
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『語る大拙 鈴木大拙講演集1』
 ― 禅者の他力論 ―
鈴木大拙 著 6,400円+税 仏教
ISBN978-4-906917-69-3 C0015 A5判上製 320頁 2017/7刊  
くだけた語りで分かりやすく示された大拙の思想。第一巻 禅者の他力論 「仏教というものは禅宗も真宗もなし、 その器根によって受け容れるものが、ああにもなり、こうにもなると思うておっていい。」
<目次>
捨ててこそ/予の真宗観/自然法爾/色即是空/わが真宗観〔1〕/親鸞聖人の思想/在家の仏教/清沢満之は生きている/わが真宗観〔2〕/念仏の本義/真宗概論/浅原才市翁の日記
 
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『語る大拙 鈴木大拙講演集2』
 ― 大智と大悲 ―
鈴木大拙 著 6,400円+税 仏教
ISBN978-4-906917-70-9 C0015 A5判上製 320頁 2017/7刊  
くだけた語りで分かりやすく示された大拙の思想。第二巻 大智と大悲 「仏教と云う大建築を載せて居る二つの大支柱がある。一を般若又は大智と云い、今一を大悲又は大慈と云います。 智は悲から出るし、悲は智から出ます。元来は一つ物でありますが、分別智の上で話するとき二つの物であるように 分れるのです。」
<目次>
也風流庵自伝I:信仰と学問/宗教について/『臨済録』講話/大智と大悲 
也風流庵自伝II:仏教と世界文化/仏教とシナ民族性/日本の哲学者への遺言/キリスト教と仏教
 附録 私の履歴書
 
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『皇室と日本』
 ― 敗戦後皇室論議の要諦 ―
津田左右吉 著 6,900円+税 歴史
政治
ISBN978-4-906917-68-6 C0021 A5判上製 320頁 2017/6刊  
歴史研究の立場から見た皇室をめぐる論理と感情 ―― 時代に順応して変化するところにあった皇室の「恒久性」とは何か
皇室の存在が再定義されつつあるいま、敗戦後の出発点における「象徴天皇制」をめぐる議論の基本を確認する。 皇室制度支持世論の持続と左翼型反天皇制論衰退の原因を、長大な連作『文学に現はれたる我が国民思想の研究』で知られる 歴史研究の碩学津田左右吉が残した論説に読む。
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『ノモス主権への法哲学』
 法の窮極に在るもの/法の窮極にあるものについての再論/数の政治と理の政治
尾高朝雄 著 7,200円+税 政治
思想
ISBN978-4-906917-67-9 C0032 A5判上製 432頁 2017/5刊  
民主主義はなぜ選挙が終点であってはならないのか――ポピュリズム時代の法哲学の核心を示す「ノモス主権論」
ポピュリズムが広まり、行政国家化が深まり、象徴天皇制が再定義されつつある今、ノモス主権論があるべき道を指し示す。 2016年刊行の互盛央著『日本国民であるために――民主主義を考える四つの問い』(新潮選書)でも「日本国民であるために /日本人は「無責任」な国民なのか」のパートの論点とされた、いま注目の尾高朝雄のノモス主権論。政治の究極は力か理念 かと問い、実力概念から責任概念へと改鋳された主権を提唱する尾高法哲学思想を理解するための主著三冊の合冊集成版(1200枚)。 安倍政権時代におけるノモス主権論のアクチュアリティを示し、ハンス・ケルゼン、カール・シュミットと尾高朝雄の ノモス主権論の関係を論じる論文「ノモスとアジール」(藤崎剛人著)を附録。
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『最後の人間からの手紙』
 ネオテニーと愛、そしてヒトの運命について
ダニ=ロベール・デュフール 著
福井和美 訳
2,700円+税 思想
ISBN978-4-906917-66-2 C0010 四六判 320頁 2017/5刊  
性器と脳――それはどのようにしてヒトであることの、この上ないしるしである器官となったのか。 知識と快楽を結び合わせる秘密の糸とはどんなものか……。遺伝子工学時代のモラリスト、ダニ=ロベール・デュフール、 初の邦訳。死にうることの幸福、人間が脆弱な動物として生まれることの尊さについて。 哲学ふうの掌編物語とエッセイの中間を行く本書で、ダニ=ロベール・デュフールは哲学者として、現代世界の批判 というみずからの作業を推し進めていく。そして、なにがこんにち、世界の将来を深刻に脅かしているのか、 それをよりよく問うために、いまいちどヒトというあり方の歴史全体を訪ねなおしてみようと呼びかける。
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『模倣と創造』
 ―哲学と文学のあいだで―
井戸田総一郎 著
大石直記、合田正人 著
6,900円+税 思想
文学
ISBN978-4-906917-65-5 C0090 A5判上製 352頁 2017/3刊  
近代における文化の継承と変革の深層
ニーチェの詩作における文体への強いこだわりと孤独。タルド〜カイヨワ〜デリダにおけるミメーシスの星座。 森鴎外における古伝承の再生と近代的な表現への問い。芸術と思想におけるオリジナリティの重視が自明である 近代における模倣の意味を探究し、近代性の深層を照射する。
 
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『オネイログラフィア』
 ― 夢、精神分析家、芸術家 ―
ヴィクトル・マージン 著
斉藤毅 訳
3,600円+税 心理
ISBN978-4-906917-64-8 C0011 A5判上製 288頁 2017/2刊  
全てがメディア的になりゆく今、自分の夢が個人性の最後の砦だ!
精神分析を理論に閉じ込めるのではなく、生の実践とするための、ロシア人精神分析家・美術キュレーター、 ソ連アンダーグラウンド芸術の証言者である著者による、夢と視覚芸術を通したフロイトとラカンへのユニークな 手引き。
「外界が――映画、テレビ、広告、コンピューターのおかげで――他人の夢に似てくれば似てくるほど、 その夢の中で自身を見いだしてゆくことが不可欠になる。我々自身の夢は、我々の個人性の最後の砦なのだ。 夢に目を向けることは、夢が生活のための技術であった時代より、今のほうがはるかに切実なものとなっている。 夢は自己認識の方法というだけでなく、産業化されたアイデンティティーを卸売りする全面的、帝国主義的幻覚症 への抵抗の、一つの形態でもあるのだ。」(本書より)
 
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『反訓詁学』
― 平安和歌史をもとめて ―
山田哲平 著 2,200円+税 文学
ISBN978-4-906917-63-1 C0092 A5判並製 288頁 2017/1刊  
「平安和歌史」はこれまで存在していなかった!
貫之から俊成女まで。厖大な数の和歌を内在的に読解し、「平安和歌史」を構造的に呈示する初の試み。 平安和歌を構造的に関係づける視点として桜の花をめぐる「貫之のカノン」を発見。初めて統一的な視点から 描き出した平安和歌史の構造が、平安和歌史の真の主役は誰であるかを明るみに出す。
 
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『頭山満思想集成 増補新版』
頭山満 著 6,400円+税 評論
ISBN978-4-906917-62-4 C0095 A5判上製 400頁 2017/1刊  
書肆心水既刊『頭山満言志録』『頭山満直話集』の合冊版として2011年12月に刊行したものの 増補新版です。今回の増補で「写真集」(20ページ)を附録しました。伝説的存在として脚色されがちな頭山満の 真の姿と思想を伝える良質な直話のみを精選した、頭山満入門の決定版。西郷隆盛の遺訓を講評しつつ自己の思想を 語る「大西郷遺訓を読む」と、同時代の人物や社会を批評する回顧談の「直話集」で構成したものです。
 
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『他力の自由』
  ― 浄土門仏教論集成 ―
柳宗悦 著 6,900円+税 仏教
ISBN978-4-906917-61-7 C0015 A5判上製 352頁 2016/11刊  
自他二分の分別を離れた自由の世界を説く随筆を集成
民芸思想家柳宗悦の根底にある浄土門=他力門仏教関係のテキストを網羅。自己から解き放たれる宗教的な自由が民芸の美と 同一であり、それこそが真の民衆救済であることを示す柳宗悦宗教思想の核心。 (※ 本書は柳宗悦の他力門(浄土門)仏教関係の文章のうち単行本『南無阿弥陀仏』『妙好人因幡の源左』以外の随筆文を 集めたものです。書肆心水既刊『柳宗悦セレクション 仏教美学の提唱』、『柳宗悦宗教思想集成』との重複収録はありません。)
 
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『ベルクソン『物質と記憶』を解剖する』
  ―― 現代知覚理論・時間論・心の哲学との接続
郡司ペギオ幸夫 著
河野哲也 著
バリー・デイントンほか 著
平井靖史 編ほか
3,500円+税 哲学
ISBN978-4-906917-60-0 C0010 A5判並製 384頁 2016/11刊  
拡張ベルクソン主義宣言!
おそらく時代にあまりに先駆けて世に出たがゆえに難解書とされ、ベルクソンの他の主著に比べても敬遠されてきた『物質と記憶』。 最近の「意識の科学」(認知神経学、認知心理学、人工知能学)と「分析形而上学」(心の哲学、時間論)の発展によって、 ベルクソンがそもそも意図した「実証的形而上学」の意味で『物質と記憶』を読み解く準備が今日ようやく整ってきたことを示す画期的論集。
 
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『現代意訳 華厳経』 新装版
原田霊道 著 6,400円+税 仏教
ISBN978-4-906917-59-4 C0015 A5判上製 304頁 2016/10刊  
浩瀚な華厳経の要所要所を抽出して構成――華厳経による華厳経入門
一即一切、一切即一。東洋的存在論、仏教宇宙観の根源。哲理の認識と実践の一致、そしてブッダになるとはいかなることか。 釈尊自覚の内容を明らかにする華厳経のエッセンス。
 
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『現代意訳 大般涅槃経』
原田霊道 著 6,400円+税 仏教
ISBN978-4-906917-58-7 C0015 A5判上製 304頁 2016/9刊  
浩瀚な涅槃経の要所要所を抽出して構成――大般涅槃経による大般涅槃経入門
すべての大乗経典に理論的根拠を与えた涅槃経。多くの大乗経典が言わんとして言い能わなかった「一切生類悉皆成仏」の意味を 明らかにする、釈尊と諸人の問答集。数々の鋭い質問に釈尊が答える。
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『玄洋社社史』 新活字復刻版
玄洋社社史編纂会 著 7,900円+税 日本史
政治
ISBN978-4-906917-57-0 C0021 A5判上製 448頁 2016/9刊  
玄洋社とその時代――新活字による現代表記の復刻版
頭山満ら玄洋社の思想と行動を、同時代の資料とともに記録。征韓論、西南戦争から自由民権運動を経て日清日露戦争と韓国併合まで、 裏から見た明治大正の日本政治史。近現代日本における政治問題の原型である民権論と国権論の対立構造の由来と経緯を、西洋列強、 そして特に中国および朝鮮との関係における玄洋社の歴史が証言する。
 
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『終わりなき不安夢』  ―― 夢話1941-1967
ルイ・アルチュセール 著
市田良彦 訳
3,600円+税 哲学
ISBN978-4-906917-56-3 C0010 A5判上製 320頁 2016/7刊  
イデオロギー批判の契機としての夢 ―― 哲学者の「自己への関係」
20年以上にわたる遺稿編集出版の最後となった本書において、妻殺害事件の核心がついに明かされる。書きのこされていた 夢の記録と、夢や事件をめぐるテキストの集成。主治医作を騙るアルチュセールの手記「二人で行われた一つの殺人」を収録。 「ぼくは、Hが殺害の場で能動的(見た目は受動的なかたちを取っても)かつ両義的な役割を演じたに違いないと考えている。 殺害のシーンは性的誘惑のシーンと等価だ、と。彼女は能動的だったに違いない。どこかで挑発的だったはずである。例えば 前夜かそのあと。殺害は二人で行われた。」国際的アルチュセール研究者市田良彦による、本書を読み解くための 「解説1:エレーヌとそのライバルたち」「解説2:アルチュセールにおける精神分析の理論と実践」「長編論考:夢を読む」を加えた 日本語版オリジナル編集。年表および死後出版著作リストを併録。
 
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『フロイトの矛盾』
  フロイト精神分析の精神分析と精神分析の再生
ニコラス・ランド著
マリア・トローク著
大西雅一郎 訳
4,900円+税 心理
ISBN978-4-906917-55-6 C0011 A5判上製 288頁 2016/6刊  
精神分析は創始者のトラウマから誕生したのか? フロイト理論の根本的批判による精神分析の再生!
フロイトの行なう理論化には内的なさまざまの矛盾や断裂が生じており、本書が明るみにもたらすその矛盾はフロイトの 思考方法の核心から生じている。精神分析に内在するさまざまな可能性を実りあるものにしたいという思いから提起された フロイトへの問い。贋金事件で有罪となったフロイトの叔父のトラウマがフロイトの精神分析理論に与えた根本的な影響を分析する。
 
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『維摩経入門釈義』
加藤咄堂 著 6,900円+税 仏教
ISBN978-4-906917-54-9 C0015 A5判上製 352頁 2016/5刊  
維摩経の一文一文の和訳を引用し、その一文一文を詳細丁寧に読み解く本格的な入門書。 小乗仏教から大乗仏教への転換を宣言した最重要経典の意義を平易に説く長編の名講釈。
加藤咄堂(かとう・とつどう)は 1870年生、1949年歿。本名は加藤熊一郎。咄堂は号。 仏教・儒学などの東洋思想を土台とした道徳・宗教思想の啓蒙家として活躍。出版書籍は200点以上にのぼり、 最盛期には年間200回以上の講演を行ない、難解な思想や古典を平易に説き人気を博した。『中外日報』主筆。 曹洞宗大学(のち駒澤大学)、東洋大学で教鞭をとった。
 
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『共にあることの哲学』
 フランス現代思想が問う〈共同体の危険と希望〉1 理論編
岩野卓司 編著、
澤田直、湯浅博雄、合田正人、
増田一夫、坂本尚志、藤田尚志
3,300円+税 人文
思想
ISBN978-4-906917-53-2 C0010 四六判上製 288頁 2016/4刊  
今なぜ共同体論なのか? 共同体は今なお可能なのか? 格差と分断の危機に瀕する現代社会を現代思想から根本的に考える。 サルトル、バタイユ、レヴィナス、ブランショ、ナンシー、デリダ、フーコー、ドゥルーズの思想から 問う共同体と共同性。世界を覆う経済的な寡頭支配、老人と若者の世代間格差、保守化する左翼、 揺らぐEU、文明の衝突論、難民問題と人権主義の限界……。二十一世紀の世界で人間が共にあることの意味 と困難と可能性を、フランス現代思想ならではの根源的な視点から議論する。 「現代思想は終ったのか」という問いへの回答。
 
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『格差と文明』
 イスラーム・仏教・現代の危機
黒田壽郎 著 3,300円+税 人文
宗教
ISBN978-4-906917-52-5 C0014 四六判上製 288頁 2016/3刊  
井筒俊彦の東洋思想論を文明論へと拡張する、現代の危機をこえるイスラーム的で仏教的な新しい文明論。 非欧米文明の再解釈による脱グローバル支配の視座。一元的支配文明から複合的共存文明への転換の具体像。他者性の尊重を原理にする文明観の創造。
 
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増補新版  『イスラームの構造』
 タウヒード・シャリーア・ウンマ
黒田壽郎 著 3,600円+税 人文
宗教
ISBN978-4-906917-51-8 C0014 四六判上製 384頁 2016/2刊  
多様なるイスラームの最大公約数 ― タウヒード、シャリーア、ウンマの三極構造論
(タウヒード=イスラームの世界観、シャリーア=イスラームの倫理と法、ウンマ=イスラームの共同体」) イスラームの理想と現実の関係の構造的把握から示す、イスラーム回帰現象の深層。カリフ制が弱体化した 時代、そしてカリフ制不在の時代に、その理念が社会生活においていかに生きられてきたかを、 「国家/ウンマ」の社会的二層構造を通して解説。現代の危機を超える希望のイスラーム論。 ※本書は2004年刊行の初版に、インタビュー「多元的文化への偏見のない関心―井筒俊彦を引き継ぐために」 (pp.325-355)、増補新版へのあとがき(pp.361-371)を加え、索引項目を増補改訂し、 初版の字句に若干の修正を施した新版である。
 
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『教行信証入門 講話集』
暁烏敏 著
(あけがらす・はや)
7,200円+税 仏教
ISBN978-4-906917-50-1 C0015 A5判上製 448頁 2016/2刊  
教行信証の「意(こころ)」を語る。
ロングセラー『歎異抄講話』の著者である型破りの高僧暁烏敏が、難解な教行信証を日常に即したゆるい話題で 豊かに語る、全 102 講、合計 1500 枚の大河講話集。 「学者達は、聖道門だとか、浄土門の綱格だとかいうことを論じておるが、私はそんな事を論ずるのでなく、 一つ一つのお言葉を今日の日暮しの上に味わい、御教えを受けてゆこうと、こんなに思っているのであります。」
 
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『安楽の門』 (大活字愛蔵版)
大川周明 著 5,400円+税 宗教
思想
ISBN978-4-906917-49-5 C0014 A5判上製 288頁 2015/12刊  
自伝的宗教論 ―― 人間はどうすれば安楽に暮らせるか
アジア主義者大川周明はいかにして大川周明となり、大川周明を生きたか。 欧化時代から敗戦までの日本精神史の縮図としての人生の記録。 元本に忠実な表記。大活字の愛蔵版仕様。
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『柳宗悦宗教思想集成 「一」の探究 』
柳宗悦 著 7,200円+税 哲学
宗教
ISBN978-4-906917-48-8 C0014 A5判上製 432頁 2015/11刊  
民芸思想の基底――理性の近代において、東西を貫いて、宗教的であること
他力教的な独自の民芸思想を生み出す土壌となった、キリスト教と仏教等、東西の宗教を貫く宗教性の核心の考察。 柳宗悦の宗教思想の主要著書三部作『宗教とその真理』、『宗教の理解』、『神に就いて』1200枚分を一巻に集成。
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『インド哲学史』
宇井伯寿 著 6,700円+税 哲学
宗教
ISBN978-4-906917-47-1 C0015 A5判上製 288頁 2015/10刊  
仏教はいかなる思想風土において生まれいかに画期的な新思想として発展したか
インドの哲学思想全体を正統婆羅門と一般思想界と仏教との三系統に分類し、各々の特質に注意しつつ対照的に論述。 岩波書店版『印度哲学史』以後の研究の進歩の結果を示す宇井伯寿インド哲学史研究の到達点。
 
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『清沢満之 入門』 絶対他力とはなにか
暁烏敏・
清沢満之 著
6,500円+税 仏教
ISBN978-4-906917-46-4 C0015 A5判上製 400頁 2015/9刊  
近年、再評価著しい近代仏教の最高峰、清沢満之。 直弟子の破天荒な高僧、暁烏敏が師の思想をタブーなく、日常の言葉で平易に語る。
「清沢先生は、この力を絶対他力とか無限他力とか言われております。 こういう言葉は、親鸞上人のお書きになられたものには、見当たらないことです。 先生が初めて用いられた言葉です。しかし、全体的に見れば、みな親鸞上人のお教えなんです。」
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『異貌の日本近代思想 2 』
三枝博音ほか 著 2,700円+税 思想
ISBN978-4-906917-45-7 C0000 四六判並製 320頁 2015/8刊  
書肆心水創業十年記念企画
 書肆心水では2004年秋の創業以来、右翼/左翼、保守/進歩の図式を超えたところで、 日本における近代化はいかにあるべきかということについて考え抜いた人々の著作を復刻あるいは再編集して 刊行する仕事に力を入れてきました。その皮切りとなった『北一輝思想集成』刊行の2005年8月からちょうど 十年のこの機に、これまで刊行してきたものの中からいくつかを抽出してまとめてみたのが本書です。 各巻独立した書物としてお読みいただけるものです。また、収録した文章もそれぞれ独立したものとしてお読みいただけます。
 近代主義か反近代主義かという二者択一の思考停止をこえる創造的近代。 右翼/左翼、保守/進歩の図式ではつかめない日本近代化問題の核心。 模倣的近代でも反動的保守でもない創造的近代の思想が現在の闇を照らす。
三枝博音「日本的技術と日本的心性の関係」、狩野亨吉「安藤昌益における自然と平等」、 権藤成卿「近代国家主義の官治と伝統的自治」、大川周明「敗戦日本再建の思想」、北一輝「日本改造法案大綱(抄)」、 津田左右吉「歴史の学における「人」の回復」、生田長江「新事物崇拝という近代的迷信」、内村鑑三「近代人――自己を神と仰ぐ者」、 柳宗悦「仏教美学の悲願、美醜対立の彼岸」、富士川游「なぜ医学と倫理ではなく医術と宗教か」、北里柴三郎「学問の独立と国家の関係」
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『異貌の日本近代思想 1 』
西田幾多郎ほか 著 2,700円+税 思想
ISBN978-4-906917-44-0 C0000 四六判並製 320頁 2015/8刊  
書肆心水創業十年記念企画
 書肆心水では2004年秋の創業以来、右翼/左翼、保守/進歩の図式を超えたところで、 日本における近代化はいかにあるべきかということについて考え抜いた人々の著作を復刻あるいは再編集して 刊行する仕事に力を入れてきました。その皮切りとなった『北一輝思想集成』刊行の2005年8月からちょうど 十年のこの機に、これまで刊行してきたものの中からいくつかを抽出してまとめてみたのが本書です。 各巻独立した書物としてお読みいただけるものです。また、収録した文章もそれぞれ独立したものとしてお読みいただけます。
 近代主義か反近代主義かという二者択一の思考停止をこえる創造的近代。 右翼/左翼、保守/進歩の図式ではつかめない日本近代化問題の核心。 模倣的近代でも反動的保守でもない創造的近代の思想が現在の闇を照らす。
西田幾多郎「新しいロジックの創造へ」、三木清「東亜協同体と近代的世界主義」、岸田劉生「近代の誘惑から東洋の「卑近美」へ」、 高村光太郎「美と生命からみた近代性」、野上豊一郎「近代的概念では説明できない能の美学」、山田孝雄「西洋文法では説明できない日本語文法」、 九鬼周造「近代的合理性をはみだす偶然性」、田辺元「東洋思想と西洋思想との実践的媒介」
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『中国回教史論叢』
金吉堂 著
傅統先 著
6,900円+税 宗教
ISBN978-4-906917-43-3 C0022 A5判上製 352頁 2015/8刊  
知られざる中国イスラームの歴史、その伝入と繁栄と衰退。中国人ムスリムによる中国回教史研究の基本文献を合冊集成。 金吉堂著『中国回教史研究』外務省調査部訳、傅統先著『中国回教史』井東憲訳。
 
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『禅者列伝』
 僧侶と武士、栄西から西郷隆盛まで
宇井白寿 著 6,300円+税 仏教
ISBN978-4-906917-42-6 C0015 A5判上製 300頁 2015/6刊  
近代日本仏教学を開拓した碩学僧侶が平易に語る、逸話で親しむ異色の禅入門。
死と向き合う実践的人間学としての仏教の姿。栄西、道元ら禅者中の禅者から、 禅の影響が見落とされている武人と為政者まで。 付録として座禅書の双璧である『普勧坐禅儀』と『坐禅用心記』によった「座禅の仕方」を収録。
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増補新版  『北一輝思想集成』
北一輝 著 6,900円+税 日本史
ISBN978-4-906917-41-9 C0021 A5判上製 608頁 2015/5刊  
『国体論及び純正社会主義』への多量の自筆修正を増補した新版、北一輝のエッセンスを一冊に収めた決定版。
毒か薬か、道理か狂か。 ― 日本近代思想史において特異な光を放ち続ける北一輝。生涯の思想遍歴をこの一冊で一望する。 社会主義者なのか、民主主義者なのか、ファシストなのか。 分類不能なその思想は、近代日本が抱えたすべての根本問題を照らし出す。(附録 遺書・絶筆)
 
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『日清戦勝賠償異論』
 ―失われた興亜の実践理念―
荒尾精 著
村上武 解説
6,300円+税 政治
ISBN978-4-906917-40-2 C0031 A5判上製 362頁 2015/4刊  
日本の近代化がそこから道を誤った、興亜主義と侵略主義の分岐点を問う。アジア主義論議に必須、第一級の歴史的文献。
東アジア復興のためには日清貿易を基礎とすべきと考えて、東亜同文書院の前身である日清貿易研究所を経営した軍人荒尾精。 日清戦争の勝ちに乗じて過大な賠償を求めることは東亜の安定に甚大な悪影響を及ぼすと警告した諸論文を集成。 現代の状況に荒尾が持つ意味を説く詳細な解説を収録。
 
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『グリーンファーザーの青春譜』
 ファントムと呼ばれた士(サムライ)たち
杉山龍丸 著 2,700円+税 戦争記録
ISBN978-4-906917-39-6 C0095 四六判並製 384頁 2015/3刊  
飢餓に苦しむインドで奇跡的な緑化事業をなしとげ、インドの人々から「グリーンファーザー」と讃えられた杉山龍丸。 作家夢野久作を父に、アジア主義者杉山茂丸を祖父に持った若き陸軍学校生龍丸は、政界の舞台裏に通じた茂丸の関係者から 話を聞くうちに開戦しても勝ち目がないと覚り、対米開戦の反対運動を展開、東条暗殺までも企てた。 本書は、大戦末期のフィリピンで戦闘機整備隊長を務めた若き著者が、日本軍の技術・現場・戦略軽視がもたらす悲惨の真実を 語りのこしたものである。敗戦必至の認識において、人はいかに戦いうるのか。 戦後70年のいま杉山龍丸の遺稿を公刊し、戦争の不条理をあらためて世に示す。
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『カリフ制再興』
 未完のプロジェクト、その歴史・理念・未来
中田考 著 1,800円+税 政治
イスラム
ISBN978-4-906917-38-9 C0014 四六判並製 256ページ 2015/2刊  
文明の衝突をこえてイスラームの平和をめざす「カリフ制再興」へ。 「カリフ制再興」とは何かを初めて詳説し、戦乱のイスラームから法治のカリフ制への道を示す待望の書、ついに刊行。内田樹氏推薦
カリフ制再興は過激な一部の組織だけが唱えているものではなく、イスラーム学界では誰も反対する者がない定説であり続けている。 本書は、その歴史的事情と、その理念が現代世界にもつ意味と、カリフ制再興が開く人類の未来展望とを説き明かす。 いま人気の池内恵著『イスラーム国の衝撃』と本書を併読することで、イスラーム国問題の「両面的な全体像」がはじめて見える。
 
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『百魔』+『百魔 続』
其日庵 杉山茂丸 著 正篇4,900円+税
続篇5,900円+税
人文
文芸
正篇ISBN978-4-906917-36-5 C0095
続篇ISBN978-4-906917-37-2 C0095
A5判上製 正篇432頁
続篇416頁
2015/1刊  
知る人ぞ知る奇書中の奇書
長らく品切となっておりました大部の『百魔 正続完本』を分冊化(分売可)し、新版として刊行いたします。
『ドグラ・マグラ』の著者、夢野久作の問題の父にして、玄洋社のシンボル、遠山満の無二の盟友である杉山茂丸が人間の魔的パワーを謳う異色文芸。 天使的魔人たち、百魔男女の奇譚集。
正篇は、著者が交際した同時代人との交友録を中心とした、規格外の人道に生きる百魔男女の、心おどらす物語。
続篇は、著者少年時の思い出と古老の昔語りを中心とした、死生の境を生きぬいた百魔男女の、心に沁みる物語。
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『他者のトポロジー』
 人文諸学と他者論の現在
岩野卓司 編 6,300円+税 哲学
ISBN978-4-906917-35-8 C0010 A5判上製 362ページ 2014/12刊  
自己が自己であるために経由しなければならない他者性とは何か。 人文諸学が前提としている「同一性」の自己崩壊を明るみに出す試み。 「他者のトポロジー」の名のもとに9名の著者 (岩野卓司、若森栄樹、関修、石前禎幸、田島正行、大西雅一郎、鈴木哲也、斉藤毅、山田哲平) がそれぞれの関心に応じて、哲学、精神分析、法律、政治、文学、美術など多岐にわたる研究分野からクロスオーバーする。
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『仏教思潮論』
 仏法僧三宝の構造による仏教思想史
宇井伯寿 著 6,300円+税 仏教
ISBN978-4-906917-34-1 C0015 A5判上製 352ページ 2014/11刊  
ブッダの根本仏教から、大乗・小乗への分化を経て日本仏教まで、仏教思想の流れを仏・法・僧の構造で説く。 宇井伯寿の浩瀚な主著「仏教汎論」(全2巻)を要約した入門版。
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『語る西田哲学』
 西田幾多郎 談話・対談・講演集
西田幾多郎 著 5,900円+税 哲学
ISBN978-4-906917-33-4 C0010 A5判上製 320ページ 2014/10刊  
語られた分りやすい西田哲学
一般聴衆にむけて語られた講演を中心に、西田幾多郎の「語り」の記録を集めた談話・対談・講演集。  西田最初の著作である『善の研究』から最晩年の長篇論文「生命」「場所的論理と宗教的世界観」にいたるまで、  理論的な変遷と発展を経てきた西田哲学が、一貫してこだわっていたものは何か。 「語り」がそれを明らかにする。
 
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『文語訳 ツァラトゥストラかく語りき』 (新装版)
ニイチェ 著
生田長江 訳
5,500円+税 哲学
ISBN978-4-902854-52-7 C0010 A5判上製 480ページ 2014/9刊  
「我こそは神を無みする者ツァラトゥストラなれ」
生田長江はこの『ツァラトゥストラ』という作品の翻訳においては、あえて文語調を選択的に採用した。 生田個人完訳のニーチェ全集は、いまでは歴史的存在としての意味しか持ち得ないものとなったでしょうが、生田訳『ツァラトゥストラ』だけは例外的に、その文語調という訳文のスタイルの故に、いまなお、否、今後長く特異な意義を持ち続ける文化遺産であると言える。 「かく語りき」の文言がいかにも相応しいこの『文語訳ツァラトゥストラ』。作中の言葉である「血と箴言とをもて書くところの人は、読まるるをねがわずして諳(そらん)ぜらるるをねがう」という思想によくマッチする文語調のユニークな訳業である。
 
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西欧化する日本 西欧化できない日本
 日本の知性の古層と新層
三枝博音 著 5,900円+税 哲学
思想史
ISBN978-4-906917-32-7 C0030 A5判上製 320ページ 2014/8刊  
日本における知性と技術と科学の関係の歴史性を描き出す
前近代と近代の文献を博捜し、『日本哲学思想全書』20巻、『日本科学古典全書』10巻を編纂した思想史家が、 その研究成果を縦横に活用し、日本の知性の「古層」と西欧化以後の「新層」の関係に迫る。
近代化の過程で覆いをかけられた古いものが蘇ろうとする今、将来を展望するために省みるべき歴史的経緯。
 
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立憲主義の日本的困難
  尾崎行雄批評文集1914-1947
尾崎行雄 著 5,900円+税 政治
法学
ISBN978-4-906917-31-0 C0031 A5判上製 320ページ 2014/7刊  
藩閥型独裁的政治が回帰する今、「憲政の神様」尾崎の経験が蘇る
「勝てば官軍、長い物には巻かれろ、義よりも縁故と派閥」と言われてきた政治の日本的心性。 反立憲主義的、日本的党派の論理の歴史性が、今またたち現れてきている。 1890年の第1回選挙より1952年まで63年間、連続当選25回、 明治維新から敗戦までの長い政治経験が語る、古くて根深い日本の反立憲主義的心性。 常に立憲主義の先頭に立ち、藩閥・軍閥・官閥との闘いに一生涯を捧げた「憲政の神様」尾崎行雄の声を聴こう。
 
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近代日本哲学史
三枝博音 著 5,900円+税 哲学
思想史
ISBN978-4-906917-30-3 C0010 A5判上製 288ページ 2014/7刊  
日本への哲学の移植とその展開を批判的に評価する書。
「日本に移入された各種哲学は、その繁栄にも凋落にも何らかの条件が存する。どの学問よりも真実なるものをつかもうとする哲学は、まず自分の運命を知らねばならない。」(三枝博音) とする著者は、時代と哲学移植との関係を探り、そのイデオロギー的位置を発見する。 1871年(明治4年)、中村正直(敬宇)によってJ・S・ミルの『自由の原理』が翻訳されたところから説き起こし、本書発刊の1935年頃までの状況の推移を論じている。
 
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東洋の論理 空と因明
宇井伯寿 著
竜樹(ナーガールジュナ)/陳那(ディグナーガ)
商羯羅塞縛弥(シャンカラスヴァーミン)
5,900円+税 仏教
思想
ISBN978-4-906917-29-7 C0015 A5判上製 320ページ 2014/6刊  
仏教論理学の精髄。『仏教哲学の根本問題』、『仏教経典史』に続く、宇井伯寿復刊企画の第三弾。
中村元が師事した近代日本仏教学の開拓者、碩学宇井伯寿による仏教論理学の基本文献。 因明を本格的に説く今なお唯一の研究書。 第一部は宇井伯寿が説く「空」と「因明」。第二部には「空」と「因明」に関する原典の翻訳3篇、 竜樹(ナーガールジュナ)『中論』、陳那(ディグナーガ)『因明正理門論』、商羯羅塞縛弥(シャンカラスヴァーミン)『因明入正理論』を収録。
 
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新編・梅園哲学入門
三枝博音・三浦梅園 著 5,400円+税 日本思想
ISBN978-4-906917-28-0 C0010 A5判上製 320ページ 2014/5刊  
科学の明るさと人間的歴史の暗さを統一的に把握
日本の科学・技術思想史研究を開拓した三枝博音による三浦梅園論集です。 梅園研究の第一人者・山田慶兒氏は、中公バックス版『三浦梅園』所収の長大な論考「黒い言葉の空間」のなかで、 「三枝は梅園のなかに、近代ヨーロッパの哲学者たちにいささかの遜色もない哲学的精神と哲学的思索の横溢をみた。」 と述べておられます。本書は、三枝が近代西欧哲学との同時代性において梅園を考察し、 「梅園の学説はもはや単なる科学主義ではない。彼にとっては科学と歴史的現実の交錯的形成そのものが問題である」という認識をもって その著作を集成したものです。
 
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現代アメリカ映画研究入門
トマス・エルセサー&ウォーレン・バックランド 著
水島和則 訳
5,400円+税 映画
映画理論
ISBN978-4-906917-27-3 C0074 A5判上製 416ページ 2014/4刊  
映画は今、分析するのが楽しい ―映画研究のツールボックス―
代表的な映画理論を一堂に展示。 一本の映画に複数の理論からアプローチすることで、理論が異なれば映画の意味も変わることを体感できる。 難解だと敬遠されがちな映画理論がぐっと身近になり、大量の映画を観ていなくても理論をツールとして使えるようになるガイドブック。
 
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天皇制の国民主権とノモス主権論
 政治の究極は力か理念か
尾高朝雄 著 6,300円+税 政治
思想
ISBN978-4-906917-26-6 C0032 A5判上製 278ページ 2014/3刊  
政権が横暴にふるまう時、ノモス主権論がよみがえる!
著者は本書において日本国憲法制定時の国体論議を検証し、象徴天皇制においても国民主権が十全に機能することを示した。 他方、憲法制定権力である国民の主権(国民の総意)が万能の力であることに疑問を呈し、主権の所在論(国民にあるのか王にあるのか)を超えて、従来の主権概念の上位に「ノモスの理念」(古代ギリシアの掟や習慣・法律の意味で、社会制度上の道徳的観念のこと)を組み込む事で主権概念を刷新した。 当時このことで、本書の「ノモス主権論」などをめぐって「尾高・宮沢論争(国体論争)」が起きた。
本書は50年以上も前の出版物で、既に「国体」というテーマをめぐって議論されることはなくなり、国民主権と象徴天皇制の並存は歴史的に定着したというに十分な時間が経過していると考えられるが、 現在、その国民主権と天皇制の並存は、どのように説明しうる事態なのか。本書が刊行当時にもっていたそれとはまた違った意味でユニークな議論を展開する稀有な存在意義をもっていると思われる。
底本は『国民主権と天皇制』(1954年青林書院刊)
 
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仏教経典史
宇井伯寿 著 6,300円+税 仏教
思想
ISBN978-4-906917-25-9 C0015 A5判上製 288ページ 2014/2刊  
経典から見る仏教の思想史−経典は歴史的に位置づけてはじめてその各々の意義がわかる。
本書は、仏徒でもある近代日本仏教アカデミズムの開拓者が、脱迷信の近代的批判にたえる明晰な叙述と、信仰と学的研究を峻別した立場で、仏教史理解の第一歩である各経典成立の歴史を体系的に描く基本文献です。 個々の経典についてある程度の知識を得たが、経典それぞれがどういう関係になっているのかが分からないという方におすすめしたい入門書です。 各経典を歴史的に位置づけることによって、各経典の意義が明らかにされています。 本文は大活字11ポイント大活字版です。
 
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仏教哲学の根本問題
宇井伯寿 著 5,400円+税 仏教
思想
ISBN978-4-906917-24-2 C0015 A5判上製 282ページ 2014/1刊  
キータームの有機的連関が描く、仏教思想の全体像
宇井伯寿は近代日本仏教アカデミズムの開拓者で、曹洞宗の僧侶でもあり、東京帝大で中村元を指導した。 本書は、脱迷信の近代的批判にたえる明晰な叙述により、仏教の根本キータームが有機的に解説されている。 仏教の「全体を貫く基本的な考え方=哲学」のハンドブックとして優れた著作。 仏教について大体の理解はしているが、さまざまなキータームの連関や全体像が理解できていないという方に最適の、言わば第二段階の入門書。 本文は大活字11ポイントで視力の弱ってきたかたにもストレス無くお読みいただけます。(初出は1947年大東出版社刊)
 
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華厳哲学小論攷 仏教の根本難問への哲学的アプローチ
土田杏村 著 2,700円+税 仏教
思想
ISBN978-4-906917-23-5 C0014 A5判上製 160ページ 2014/1刊  
事理無礙をこえて事々無礙へ
中公新書 『忘れられた哲学者』(2013年6月刊、清水真木著)で再発見された土田杏村。西田幾多郎の弟子である「忘れられた哲学者」の仏教「純粋経験」論。 巷間の「仏教史学に属すべき歴史的考証の議論」や「論理を離れた教義的教説」から距離をおいた「仏教神学(the Buddhistic Theology)とも称すべき、仏教経典の宗教哲学的考察」という自身の立ち位置から経典の内実の考察に努めた。 華厳思想の哲学的可能性を求めて、大乗起信論の示唆する仏教の根本難問に、阿頼耶識の意義を鍵として挑む。形而上学批判としての認識論的仏教研究。
 
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国文学への哲学的アプローチ
土田杏村 著 5,400円+税 文学
思想
ISBN978-4-906917-22-8 C0095 A5判上製 256ページ 2013/12刊  
哲学的アプローチが国文学の深層を現在化する。
中公新書 『忘れられた哲学者』(2013年6月刊、清水真木著)で再発見された土田杏村。西田哲学の流れを汲む「忘れられた哲学者」が「国文学の中核的な仕事は哲学的方法を以てなされねばならない」という立場から、富士谷御杖を一大頂点とする国文学のポテンシャルを哲学的に読み出す。 ――「御杖に聞くべきは、その根本哲学だ。古典を理解する時のその一般的方法論だ。だから我々はその術語などは言霊であっても何でもよい。突き進めた彼の根本思想を尋ねて見たい。」
本書の各論文は土田杏村の四巻連作『国文学の哲学的研究』(総ページ数約1600、1927〜1933年、第一書房刊行)が収めるもののうち、方法論的な議論を特徴とするものです。
 
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制定の立場で省みる日本国憲法入門  第一集
芦田 均 著 3,300円+税 憲法
現代史
ISBN978-4-906917-20-4 C0032 四六判上製 256ページ 2013/11刊  
制定現場の空気と論理と駆け引きと
当事者の生の声により日本国憲法をリアルに歴史の問題として捉え直す。制定過程の経験談と、制定者としての立場による逐条的解説の二部構成。 なぜそう変わったのか、変わらなかったことは何か、議論が紛糾したことは何か――制定の事情と機微を理解すると、今なら変えてもよいところ、今でも変えてはいけないところが、いずれの立場にとっても見えてくる。
第一集は「九条」芦田修正で知られる、衆議院憲法改正特別委員会委員長・芦田均元首相が、衆議院憲法改正特別委員会での出来事を当時の個人的メモや記憶に基づき報告する「憲法調査会(第七回総会・1957年)」の速記録ほか二篇の回顧談と、新憲法公布時に刊行した全条文を逐条解説する単行本『新憲法解釈』を収録。
 
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制定の立場で省みる日本国憲法入門  第二集
金森徳次郎 著 3,800円+税 憲法
現代史
ISBN978-4-906917-21-1 C0032 四六判上製 320ページ 2013/11刊  
制定現場の空気と論理と駆け引きと
当事者の生の声により日本国憲法をリアルに歴史の問題として捉え直す。
第二集は憲法改正=新憲法制定の国会において改正草案に関する答弁をほとんど一人で行った憲法担当国務大臣金森徳次郎が、憲法制定議会の前後の出来事を報告する「憲法調査会(第二回総会・1954年)」の速記録と、新憲法公布後の「煩悶」を経て最晩年に語り遺した、新憲法全体の解説的解釈『憲法遺言』を収録。
 
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百フランのための殺人犯   三面記事をめぐる対談
ジャン・ポーラン 著
安原伸一朗 訳
2,500円+税 外国文学
エッセー
ISBN978-4-906917-19-8 C0098 A5判上製 160ページ 2013/10刊  
ガリマール社の文芸誌N.R.F.の編集長を40年の長きにわたって務めたジャン・ポーランの洞察。
精神のパラドクス ―― あるいは間違った判断をする我々。その妄想的判断の避けがたさと、それに及ぼす言語の不思議な効果。ありふれた話題を種に、ポーランが友人と交わした軽妙な対話のなかで、精神と言語の最深部にひそむ神秘を明らかにしていく対談仕立てのエッセー。
 
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カフカからカフカへ   
モーリス・ブランショ 著
山邑久仁子 訳
3,600円+税 外国文学
評論
ISBN978-4-906917-18-1 C0098 四六判上製 320ページ 2013/10刊  
文学と死への権利 ―― ブランショ自選カフカ論集成
孤高の文芸批評家モーリス・ブランショによる自選カフカ論集成。ブランショが一人の作家をめぐる評論集として編んだのはこの書籍のみであり、ブランショにおけるカフカの存在の重要性を物語っている。 ブランショの評論群において初期の最重要論考とされている「文学と死への権利」が巻頭に収録されており、この論考は全体としてはカフカ論というよりは「文学とは何か」といったことの論究であり、この書物がブランショ文学の最深部を開示するものであることを意味している。 宗教的、神学的あるいは精神分析的、または社会的、歴史的といった様々な立場からのそれまでのカフカ解釈とは一線を画し、ブランショは作品に密着した分析を行い、作品内在的解釈を通して「書くこと」の意味を追求し、さらに文学あるいは言語の根源について探求し、自身の考察を深めた。 広く読まれるカフカの文学を通してブランショの特異な文学理論が開かれる、ひとつの「ブランショ入門」としても読まれることをお奨めする。
 
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玄洋社怪人伝   頭山満とその一派
頭山満・的野半介・杉山茂丸
・内田良平・夢野久作 著
3,800円+税 思想・政治
ISBN978-4-906917-17-4 C0026 A5判上製 320ページ 2013/10刊  
本書は、玄洋社を代表する頭山満とその一派である来島恒喜、杉山茂丸、内田良平、奈良原至、進藤喜平太らの人となりを伝える文章を集めたものです。
本人の談話や自伝的著作、近親者による評伝から特に面白い話を選んで構成したアンソロジーです。 なお、本書に収めた文章のうち、2008年に書肆心水より刊行された『アジア主義者たちの声(上)』(現在品切れ中)に収録した内容と一部重なる部分がありますので、既に『アジア主義者たちの声(上)』をお読みの方は 書肆心水サイトにてご確認ください。
 
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維新の思想史 
津田左右吉 著 3,600円+税 思想・歴史
ISBN978-4-906917-16-7 C0021 四六判上製 320ページ 2013/9刊  
野蛮なる倒幕、欺瞞せる維新
維新評価見直しの先駆的業績。 碩学津田左右吉の膨大な思想史研究の動機となった幕末維新期の思想状況に対する疑問。 最晩年においてようやく果たされたその維新の思想史研究を集成。 日本人の倫理観喪失の淵源を示し、近代日本の足場の危うさを明かす。
 
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行き詰まりの時代経験と自治の思想  権藤成卿批評集
権藤成卿 著 3,600円+税 思想・政治
ISBN978-4-906917-15-0 C0036 A5判上製 224ページ 2013/8刊  
官治か自治か― 明治以来の官僚制国家中心主義に対する生産=生活共同体の自治思想
明治以来の官治主義、資本主義、都会中心主義を批判し、原始以来の伝統的な生産・生活共同体の尊重を訴え、昭和期の農本主義思想家として大きな影響力をもった権藤成卿の思想を読み直す。
底本は『血盟団事件 五・一五事件 二・二六事件 其後に来るもの』(1936年10月、平野書房刊)および、『自治民政理』(1936年4月、学芸社刊)より抄録。
 
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アナキスト地人論  エリゼ・ルクリュの思想と生涯
エリゼ・ルクリュ+石川三四郎 著 3,600円+税 思想・政治
ISBN978-4-906917-14-3 C0020 四六判上製 320ページ 2013/7刊  
地理学の立場から人間の自由と共生を問う異色のアナキスト、エリゼ・ルクリュの思索をその代表作の1つ「地人論」からの抄訳で。第2部では社会運動家、アナキスト石川三四郎によるエリゼ・ルクリュの思想と生涯を掲載。
第I部の底本は、エリゼ・ルクリュ著『地人論(第1巻・人祖論)』(石川三四郎訳、1930年、春秋社)。第II部の底本は、石川三四郎著『エリゼ・ルクリュ――思想と生涯――』(1948年、国民科学社)。
 
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大西克礼美学コレクション3
東洋的芸術精神
大西克礼 著 6,400円+税 思想・美学
ISBN978-4-906917-13-6 C0070 A5判上製 416ページ 2013/5刊  
日本特有の美概念を理論的に把握する大西選集・全3巻完結篇
東洋的芸術精神のパントノミー、本源的綜合性とは何か。芸術と生活の深層的融合、美的文化の根源的本質性を明らかにし、 生活の全面と深く一体化する芸術の心を綜合的に理論化する。 西欧美学に学び、さらにその枠を破り東洋の美概念をも組み込んだ新たな普遍美学への試み。大西美学の最終的到達点を明らかにする大作。
 
表紙画像 書肆心水 書籍リスト 注文書PDF
媒介的自立の哲学 田辺哲学イントロダクション
田辺 元 著 3,500円+税 思想・哲学
ISBN978-4-906917-12-9 C0010 四六判上製 320ページ 2013/4刊  
田辺哲学の全体は「媒介」というキーワードに貫かれています。
観念弁証法(ヘーゲル)と唯物弁証法(マルクス)をともにこえるための独自の「絶対弁証法」を提唱する田辺哲学が 新たな哲学素として提出する「媒介」は、止揚が全体化に帰結する弁証法を意味するものではなく、相容れない物同士が、止揚において個々の自立性をかえって高めるものです。
田辺哲学の入門書として「媒介的自立」というキーワードを設定し、知性および精神性諸ジャンルの、媒介的な関係性を論じたテキストを選択した論文選です。
   
表紙画像 大西克礼美学コレクション2
自然感情の美学
万葉集論と類型論
大西克礼 著 5,400円+税 人文(思想・文芸)
ISBN978-4-906917-11-2 C0070 A5判上製 352ページ 2013/2 刊  
全3巻 隔月配本予定

万葉集以来の人と自然が対立しない美の文化
日本人の美的感覚の最深層を探り、西洋の諸類型と比較。その意義を検証する類なき業績
 
表紙画像 北里柴三郎読本 上/下 北里柴三郎 ほか著 上 4,900円+税
下 5,900円+税
人文・医学
ISBN978-4-906917-09-9
ISBN978-4-906917-10-5
A5判上製 各320ページ 2013/1 刊  
上巻 北里柴三郎伝(宮島幹之助ほか著)、北里柴三郎論説選=前篇(北里柴三郎著)
下巻 北里柴三郎論説選=後篇(北里柴三郎著)

北里研究所創立100周年に向けて関心の高まる今、北里自身の言葉でたどるその事績と思想のエッセンス
 
表紙画像 大西克礼美学コレクション1
幽玄・あはれ・さび
大西克礼 著 4,700円+税 人文(思想・文芸)
ISBN978-4-906917-08-2 C0070 A5判上製 320ページ 2012/12 刊  
全3巻 隔月配本予定

日本的美の思想を論理化した不朽の連作を集成
西欧美学の枠の限界をこえて日本独自の美概念を普遍的美学の体系に初めて定位

(第1巻)長いあいだ理論的な考察がなされないまま、独特の美概念としてただ体験的・主観的に語られてきた「幽玄・あはれ・さび」の論理的様相を初めてとらえ、日本思想史に「美」の分野を創造した画期的業績。
 
表紙画像 大川周明世界宗教思想史論集 大川周明 著 5,400円+税 人文
ISBN978-4-906917-07-5 C0014 A5判上製 256ページ 2012/11 刊  
宗教学者としての大川周明の業績の精髄を集成
生涯を貫いた宗教研究の出発点から到達点(遺稿)まで

人類の宗教性はどこから来たか、そしてどこへ行くべきか。史上一切の宗教を宗教の一連鎖として見る立場から、世界宗教の総合的進化を歴史的に考察し、脱迷信の時代における人間の宗教性の新しいありかたを提唱。
表紙画像 近代日本官僚政治史 田中惣五郎 著 6,300円+税 人文
ISBN978-4-906917-06-8 C0021 A5判上製 416ページ 2012/10 刊  
官僚政治から見た日本近代の姿
民意からの隔絶という伝統はどのように構築されたか

明治維新以来おしすすめられ確立された中央集権の政治状況において、時々の官僚世界の位置がどのように変遷したかを概説する入門書。官僚は何ゆえに国政の本体を担う存在となるに至ったかを描き出し、現在に連なる弊害の由来を明かす。
表紙画像 三木清歴史哲学コレクション 三木清 著 5,900円+税 人文
ISBN978-4-906917-05-1 C0010 A5判上製 352ページ 2012/9 刊  
西田哲学の流れを汲む歴史哲学論を集成
カント、ヘーゲル、マルクスの成果を批判的に総合した独自の立場

「過去の事実としての歴史」と「それの認識行為としての歴史」と「その行為自体がもつ歴史性」の重層的な関係性を出発点に、時代を変革する歴史哲学の諸問題を示す。
表紙画像 津田左右吉セレクション
第3巻 記紀の構造・思想・記法
津田左右吉 著 各6,300円+税 人文
BISBN978-4-906917-04-4 C0021 A5判上製 320ページ 2012/8 刊  
記紀の批判的研究を開拓した津田史学の原点

古事記・日本書紀はいかなる欲求と方法により生み出されたか

神代史の記載を民俗の起源もしくは原始社会状態を語ったものとする見解は、誤った何の根拠もないものであることを明かし、神代史を経典視してその宗教観念を民衆のものと誤信した神道者や国学者の思想が現代にまで及ぶことを批判する精密な読解。
表紙画像 津田左右吉セレクション
第1巻 津田史学の思想
第2巻 日本文化と外来思想
津田左右吉 著 各6,300円+税 人文
@ISBN978-4-906917-02-0 C0021
AISBN978-4-906917-03-7 C0021
A5判上製 各320ページ 2012/7 刊 (書影は@巻)

古事記・日本書紀の理性的批判を創始し、真に学問的な日本思想史を提唱した著者の精髄

第1巻…歴史における必然と偶然の関係を明かし神話幻想と革命幻想を批判
第2巻…日本思想の「不純」性を明かし「東洋文化」という虚構を暴く
表紙画像 朝鮮の美 沖縄の美
柳宗悦セレクション
柳宗悦 著 5,200円+税 人文・民俗・芸術
ISBN978-4-906917-01-3 C0072 A5判上製 288ページ 2012/6 刊  
民族の生活と自然が生み出す固有の美
技巧の末に堕ちた現代に反省を促す民芸の思想
「目下窯芸等の事は独立運動に関係がないと評し去る人があるかも知れぬ。しかしそれは非常な誤謬だ。私達はそれが日本にしろ米国にしろ朝鮮にしろ、政治は独立性の真の根拠にはならぬと考えている。そうして私達は科学とか宗教とか芸術とか云うものに真の独立性の基礎があると信じている。」
表紙画像 仏教美学の提唱
柳宗悦セレクション
柳宗悦 著 5,200円+税 人文
ISBN978-4-906917-00-6 C0015 A5判上製 320ページ 2012/5 刊  
柳宗悦の民芸思想の最終到達点=仏教美学とは何か
美醜の彼岸に立つ自在の美、他力の美を提唱

柳宗悦の提唱する「仏教美学」に関する著作の集成
表紙画像 意識と意志
西田幾多郎論文選
西田幾多郎 著 5,700円+税 人文
ISBN978-4-902854-99-2 C0010 A5判上製 320ページ 2012/4 刊  
西田哲学独自の視点による精神の構造論
初期の思想「純粋経験」から「西田哲学=場所の哲学」への発展

処女作である『善の研究』で広く知られる初期の「純粋経験」の思想から、「西田哲学」と呼ばれるにふさわしい円熟期の「場所の哲学」へとその思索がブレイクスルーする過程で集中的に論じられた「意識」「意志」をテーマとする論文群の全集成。
表紙画像 和辻哲郎日本古代文化論集成 和辻哲郎 著 6,400円+税 人文
ISBN978-4-902854-98-7 C0021 A5判上製 384ページ 2012/3 刊  
古事記編纂1300年 ―― 神話伝説を扱う正しい態度とは何か 仏教文化の影響を受ける以前の日本文化の真相と深層を明るみに出す、和辻日本文化史の原点。 古代人の生命の痕跡から和辻一流の手法で読み出された 「湿やかな」 心情。 古代人の想像力と構想力に迫る諸篇を集成。
表紙画像 野上豊一郎批評集成《文献篇》
精解・風姿花伝
野上豊一郎 著 6,400円+税 人文
ISBN978-4-902854-97-8 C0074 A5判上製 256ページ 2012/2 刊  
能楽研究のパイオニアが精細に解読する風姿花伝
「秘スレバ花、秘セズバ花ナルベカラズ」 の言葉で知られる 『風姿花伝』 の根本思想である 「花」 とは何か。 
『風姿花伝』 読解の全篇をその問いで貫き通す、能楽研究のパイオニアならではの力強い批評。 全原文の純粋な姿を伝え、三つの底本の全異同も示す本格研究。
表紙画像 日本仏教文化史入門 辻善之助 著 6,400円+税 人文
ISBN978-4-902854-96-1 C0015 A5判上製 304ページ 2012/1 刊  

実証主義仏教史の金字塔 『日本仏教史』 全十巻の要約版

確かな実証、面白い話題、とらわれない立場からの批評。 「日本文化と仏教の関係を論ずることは、すなわち日本文化史のすべてを論ずることになる」 という立場の著者による、日本仏教文化史の概観。

表紙画像 アジアのめざめ
ラス・ビハリ・ボース伝
R.B.ボース、相馬安雄、相馬黒光 著
3,600円+税 人文
ISBN978-4-902854-95-4 C0023 四六判上製 288ページ 2011/12 刊  

ボース自身が書きのこした言葉、ボースに親近した二人の言葉

「中村屋のボース」 として知られるインド独立革命の闘士ボース。 日本に亡命し、日本の戦争とインド独立闘争の連携をはかったその困難な一生を今に伝える記録。 ボースに親近した義弟と義母によって歿後八年に編まれた伝記文集。

表紙画像 頭山満思想集成 頭山満 著 5,500円+税 人文
ISBN978-4-902854-94-7 C0095 A5判上製 384ページ 2011/12 刊  

好評にて品切中の『頭山満言志録』『頭山満直話集』合冊新版企画

精選直話集。頭山思想の真髄を読む。
"アジア主義の巨頭"の言葉を記録した貴重なドキュメントの集大成。
明治〜大正〜昭和と、政府監視人として恐れられた頭山満。伝説的存在として脚色されがちなその虚像を離れ、その真の姿と思想を伝えるために良質の直話のみを精選。

表紙画像 増補新版
偶然と驚きの哲学
九鬼哲学入門
九鬼周造 著 3,300円+税 人文
ISBN978-4-902854-93-0 C0010 四六判上製 256ページ 2011/11 刊  

好評品切中の初版に論文二篇を増補してハードカバー化した新版

「哲学は驚きに始まり驚きに終わる」
『「いき」の構造』で知られる九鬼周造における哲学的主題「偶然性」。
主著『偶然性の問題』以降に書かれた偶然と驚きをめぐる諸論考が、九鬼晩年の到達点「偶然と驚きの哲学」という場所を示す。
それぞれが独立した一本として読める入門短篇集。

表紙画像 宮廷人と異端者
ライプニッツとスピノザ、そして近代における神
マシュー・スチュアート 著 3,800円+税 人文
ISBN978-4-902854-92-3 C0010 四六判上製 464ページ 2011/11 刊  

哲哲学的対決のドラマ ―― リアリティある哲学史

ライプニッツだけが深く理解しえた、そしてライプニッツこそが深く憎悪した、スピノザ哲学という世界革命。 
未邦訳のライプニッツ文書を渉猟し初めて明かされる哲学者ライプニッツの生身の姿。 そして逆照射されるスピノザ革命の真価。廷臣ライプニッツは何に仕え、破門の異端者スピノザは何から自由であったのか。 生きた哲学史の新しい風。

表紙画像 国民言語文化とは何か @/A 垣内松三 著 @5,700円+税
A5,700円+税
人文
ISBN978-4-902854-90-9 C0081(@)
ISBN978-4-902854-91-6 C0081(A)
A5判上製 @336ページ
A256ページ
2011/10 刊 (書影はA)

「真実・信実・誠実」回復の日本語論
日本語の歴史的共同性再構築のための根本的な視座

風土・歴史・生活によって結晶化された言葉の実相を探り、国学の可能性の中心である「まこと」を近代的に再理論化する。初等教育から哲学まで、世阿弥、宣長から漱石まで、国民言語文化と方法論を示す類なき業績。

表紙画像 和辻哲郎仏教哲学読本 @/A 和辻哲郎 著 @4,700円+税
A5,700円+税
人文
ISBN978-4-902854-88-6 C0015(@)
ISBN978-4-902854-89-3 C0015(A)
A5判上製 各400ページ 2011/8 刊  

仏教の哲学的批評を開拓―和辻哲郎もうひとつの真面目
仏教をめぐる数々の常識を、精密な論理と鋭い洞察で覆す、和辻仏教哲学への入門論文選

表紙画像 綜合日本仏教史 橋川正 著 6,500円+税 人文
ISBN978-4-902854-87-9 C0015 A5判上製 400ページ 2011/6 刊  

文化的・政治的側面を重視した個性的な日本仏教史
日本の仏教が今このようにあるのは何ゆえか―その問いに答える

いま最もポピュラーな日本仏教史の本=新潮文庫版『日本仏教史』(末木文美士著)の文献案内で「文化史的な視点から書かれた新鮮さを持つ」一般的通史と紹介されている基本的研究書です。

表紙画像 仏陀
その生涯、教理、教団
ヘルマン・オルデンベルク 著 6,500円+税 人文
ISBN978-4-902854-86-2 C0015 A5判上製 400ページ 2011/5 刊  

●ニーチェが読んで刺激されたブッダ論

ブッダ研究の世界的古典。 ブッダの歴史的存在と原始仏教の姿を文献的に立証。 1881年の初版以来名声を博し、数度の改訂を経て、英語版、ドイツ語版原典は今なおペーパーバックで読み継がれる記念碑的名著。

表紙画像 仏教統一論
第一編・大綱論全文 第二編・原理論序論 第三編・仏陀論序論
村上専精 著 5,700円+税 人文
ISBN978-4-902854-85-5 C0015 A5判上製 352ページ 2011/4 刊  

異色の総合的仏教入門

日本近代仏教学のパイオニアによる問題の書。
未遂のプロジェクト、仏教統一とは何か。
諸宗派対立の視点をこえて、仏教諸説の全体的構造を示す。 
「八万四千の法門」をもつ仏教の森で迷わぬためのガイドブック。

表紙画像 内山完造批評文集
両辺倒(りゃんぺんとう)
中国人的政治・経済感覚の古層
内山完造 著 3,500円+税 人文
ISBN978-4-902854-84-8 C0095 四六判上製 320ページ 2011/3 刊  

日本人は一辺倒、中国人は両辺倒 (りゃんぺんとう)
現代日中文化交流のさきがけ、上海内山書店主人の漫談選集。

中国的「安全保障」感覚の根柢が四千年の庶民的生活感覚のなかに見える。 波立つ時局的表層の下を流れる民族心性の底流、中国人の「二本建て主義」とは何か。

表紙画像 マホメット伝 大川周明 著 4,700円+税 人文
ISBN978-4-902854-83-1 C0023 四六判上製 384ページ 2011/2 刊  

日本人初の本格的イスラーム研究者、大川周明の遺稿

数あるムハンマド伝のなかでも臨場感に富んだ物語性ある筆致が魅力の一作。
アジア主義の志士でありかつ宗教学者である大川周明は、イスラームの原点に何を見たか。「大川周明とイスラーム」論議の展開に不可欠な遺稿の単行本化。

表紙画像 西田幾多郎の声 前篇/後篇
手紙と日記が語るその人生
西田幾多郎 著
各3,500円+税 人文
ISBN978-4-902854-81-7 C0023(前篇)
ISBN978-4-902854-82-4 C0023(後篇)
四六判上製 各352ページ 2011/1 刊 (書影は後篇)

●西田自身の言葉による西田伝
「人生いつまでも心配苦労の絶える事がない。人生はトラジックだ。」(死の年、74歳1月2日の日記の言葉)
数々の家庭的不幸に見舞われる西田。これがあの人気哲学者の人生であったのか……。
全書簡集・日記から精選し、手紙と日記を合わせて日付順に配列。研究資料ではなく読み物となるように選択。 新版全集(2009年完結)で1.5倍の通数に増補された手紙のなかには西田の新しい横顔が見えるものも。詩歌多数収録。読みやすい現代表記を採用。

表紙画像 イスラーム法理論の歴史
スンニー派法学入門
ワーエル・B・ハッラーク著
黒田壽郎 訳
6,600円+税 人文・イスラーム
ISBN978-4-902854-80-0 C0022
A5判上製 450ページ 2010/12 刊  

イスラーム研究の最先端

シャリーアの理論、その真の姿を明かす。イスラーム登場初期から現在まで、厳密に原資料に即して、法理論の歴史的展開と現代的課題を明快に示す、世界的第一人者ハッラークの主著。
今なおジャーナリスティックな評論の域にとどまる日本のイスラーム文明論を革新すべき研究者必読の書。

表紙画像 現代意訳
華厳経
原田霊道 訳著 5,700円+税 人文・宗教
ISBN978-4-902854-79-4 C0015
A5判上製 304ページ 2010/11 刊  

浩瀚な華厳経の全体的抄訳版

東洋的存在論=宇宙観の根源。 華厳経自体による華厳経入門。

一即一切、一切即一。 哲理の認識と実践の一致とは、宇宙の実体たる仏になるとは何事か。
ブッダ自覚の内容の戯曲的表現たる華厳経の梗概。

表紙画像 医術と宗教 富士川游 著 3,300円+税 人文・宗教
ISBN978-4-902854-78-7 C0014
四六判上製 224ページ 2010/10 刊  

ユニークで明快な宗教論

なぜ 《医学と倫理》 ではなく 《医術と宗教》 なのか。
――空前絶後の大業績 『日本医学史』 で日本医史学を確立した富士川游が説く、近代的医療観と現代的状況への根本的批判。
最新の実践科学であると同時に生命の救済行為でもある医療をめぐって、救済と技術の関係を問う。

表紙画像 敗戦後
大川周明 戦後文集
大川周明 著 2,200円+税 人文
ISBN978-4-902854-77-0 C0095
四六判上製 176ページ 2010/9 刊  

大川周明、時代錯誤の 《イズム》 を戒める
「私を右翼と呼ぶことは正当でない。私は決して日本主義者ではない。」――アメリカ化への雷同でもなく、共産主義への帰依でもなく、反動的日本主義でもない道を唱えた大川周明。
敗戦後の再建国の思想、三度の刑務所生活と東京裁判のこと、石原莞爾や北一輝との思い出など、戦後の大川周明が雑誌で発表した文章をはじめて書籍化。

表紙画像 革命のインド ラス・ビハリ・ボース 著 5,500円+税 人文・歴史
ISBN978-4-902854-76-3 C0022
A5判上製 304ページ 2010/8 発行  

日本のアジア主義に多大な影響を与えた、中村屋のボース、闘いの主著
@孫文らの中国革命派
A頭山満らの玄洋社
B大川周明らの行地社
と交わり、彼らのアジア解放思想の視野を、東アジアから広域アジアへ拡大させた、ボースの状況認識と政治的主張の全貌

表紙画像 境域
モーリス・ブランショとエクリチュール
ジャック・デリダ 著
若森栄樹 訳
4,900円+税 哲学・思想・文学
ISBN978-4-902854-75-6 C0010
A5判上製 512ページ 2010/7 発行  

デリダ、文学×哲学の頂点、ついに完訳なる――
デリダとともに、ブランショの海へ。

いま、全世界を完全に支配するに至った、アリストテレス以来のヨーロッパの思考を根柢からくつがえす、まったく新しい言葉の経験。デリダ円熟期の主著として、『撒種』、『弔鐘』とともに邦訳が待ち望まれた異色作、『境域』ついに完訳。ブランショのテクストの豊富な引用を収めた、デリダによるブランショの世界へのいざない。

表紙画像 岸田劉生 美術思想集成 うごく劉生、西へ東へ
前篇 異端の天才
後篇 「でろり」の味へ
岸田劉生 著 各5,500円+税 人文・芸術
ISBN978-4-902854-73-2 C0095(前篇)
ISBN978-4-902854-74-9 C0095(後篇)
A5判上製 各320ページ 2010/6 発行 (書影は前篇)

近代性を卒業した美術、東西美の融合とは何か
「この道がいつかは、世界中の美術の病気をすくう先がけになる事を信じている。」(岸田劉生)
前篇…「内なる美」とは何か
    岸田劉生20代。近代性の習得と離脱。
後篇…「下品の美」とは何か
    岸田劉生30代。西洋美と東洋美の総合。

表紙画像 野上豊一郎批評集成《人物篇》
観阿弥清次 世阿弥元清
野上豊一郎 著 5,500円+税
ISBN978-4-902854-72-5 C0074
A5判上製 288ページ 2010/4 発行  

何ゆえにこの父子は空前絶後の存在であるのか
能を完成させた原点から、後世の硬直化した能楽を批判
役者でもあり、舞台監督でも、作詞家でも、作曲家でも、理論家でもある人間だけが至りうる境地の発見
世阿弥一辺倒になりがちな能楽論を批判、父・観阿弥の位置と意義を正確にとらえ、二人の関係性から「能とは何か」を明らかにする稀なる業績

*野上豊一郎批評集成『能とは何か』の続篇企画です

表紙画像 高村光太郎秀作批評文集
美と生命 前篇(1910年27歳より1939年56歳まで)
美と生命 後篇(1939年56歳より1956年73歳まで)
高村光太郎 著 各2,800円+税 人文・芸術
ISBN978-4-902854-70-1 C0095(前篇)
ISBN978-4-902854-71-6 C0095(後篇)
四六判上製 各256ページ 2010/3 発行 (書影は前篇)

その詩作・彫刻に勝るとも劣らぬ高村光太郎の批評世界。 芸術の起原は生命そのものへの驚異感にほかならず、神に代ってこれを人間の手でつくり出したいという熱望が、ついに「芸術」を生み出した。…… この根本思想から派生する「美と生命」をめぐる約百篇の批評文。
欧米留学帰国後から死の直前まで、衣食住から社会・自然まで。 批評文でたどるその人生と思想。
◎附・キーワード索引

表紙画像 山田国語学入門選書第C巻
敬語法の研究
山田孝雄 著 4,800円+税 人文・国文学
ISBN978-4-902854-69-5 C0081 A5判上製 320ページ 2010/2 発行  

敬語が日本語の一大特徴として存在するのは何ゆえか。
敬語法研究史の原点。

敬語使用の具体例と山田文法の関係から、敬語の諸法則を網羅する。
山田文法の最終版『日本文法学要論』(山田国語学入門選書1)における三大論点(語論・位格論・句論)を縦糸に、敬語の種別を横糸に織り上げられた敬語法の構造。

表紙画像 現代イスラーム哲学
ヒクマ存在論とは何か
ムハンマド・アッ=タバータバーイー 著 5,500円+税 人文・宗教
ISBN978-4-902854-68-8 C0010 A5判上製 272ページ 2010/1 発行  

「花ガ存在スル」から「存在ガ花スル」へ……
イスラーム存在論の最高峰「ヒクマ」とは何か
イスラームの価値観の根元をなす存在論。
我々は、そして万物は、すべてが差異的であり、すべてが等位にあり、すべてが関係的である。
モッラー・サドラー(『存在認識の道』井筒俊彦訳)が説いた「存在の優先性」論の継承と現代的展開。イスラーム文明を総体として最深部から探究し続ける黒田壽郎による、詳細な解説篇と註釈。アラビア語原典からの翻訳。

表紙画像 文語訳 古欄(コーラン) 上/下 (二分冊) 大川周明 訳・注釈 各5,500円+税 人文・宗教
ISBN978-4-902854-66-4 C0014(上)
ISBN978-4-902854-67-1 C0014(下)
A5判上製 352ページ 2009/12 発行 (書影は下巻)

聖書で根強い人気の文語訳をコーランでも
「汝等信者よ、徹底してイスラームに入れ。サタンの足跡を追ふ勿れ。げに彼等は汝等の公敵なり。」(2-208)
宗教学者にして精神主義の論客・大川周明ならではの、リズム・風格・力強さある文語訳、そして充実した註釈で味わうコーラン。 ムーサーは「モーゼ」、イーサーは「イエス」、マルヤムは「マリア」というように聖書でお馴染みの人名表記がされており、イスラームに親しみのない読者にも違和感なく読める翻訳。

表紙画像 野上豊一郎批評集成
能とは何か 上巻・入門編/下巻・専門編
野上豊一郎 著 4,700円+税(上)
5,700円+税(下)
ISBN978-4-902854-64-0 C0074(上)
ISBN978-4-902854-65-7 C0074(下)
A5判上製 352ページ(上)
384ページ(下)
2009/10 発行 (書影は上巻)

能は、演者と観客の共同演出である
あの「分からなさ」が一転して比類なき魅力へと裏返る「発見」の数々。
能楽研究の開拓者の名著=主著三部作収録の全論文を、入門篇/専門篇に再構成し、各巻においてはさらにテーマで分類(役者論・奥義論・構成論・様式論・面論・謡曲論)。 初学者と玄人それぞれの「能とは何か」という問いと探究心にこたえる二冊構成。 ●曲名索引項目数 290

表紙画像 夢野久作の能世界
批評・戯文・小説
夢野久作 著 3,300円+税 文学・能
ISBN978-4-902854-63-3 C0095 A5判上製 256ページ 2009/9 発行  

ドグラ・マグラ流、能入門 ―― 夢野久作、能楽関係秀作選

小説家・夢野久作が……すなわち喜多流謡曲教授・杉山萠圓が……またの名、能楽博士・ベシミ鈍太郎が語る、ちょっと怪しげな魅力あふれる能のいい話。

表紙画像 地理的日本史読本
神話時代から近代まで、軍略から治水まで
吉田東伍 著 4,700円+税 人文・日本史
ISBN978-4-902854-62-6 C0021 A5判上製 320ページ 2009/8 発行  

「地名の巨人」吉田東伍が語る、海に開かれた“連島”の物語
いまなお高く評価され続ける不朽の業績、未曾有の大辞典『大日本地名辞書』を独力で編纂した「地名の巨人」吉田東伍が、おのおの読みきりの 61 話で語る日本通史。
「時代」「人間」「場所」が揃って初めて歴史はリアルになる。――場所すなわち地理的事情が、人の思惑と歴史の流れる方向を規定する様を語る、日本歴史地理学の開拓者ならではの仕事。地理的イメージで日本史の大きな流れをつかむ、ユニークな日本史読本。

表紙画像 真善美
西田幾多郎論文選
西田幾多郎 著 3,500円+税 哲学・人文
ISBN978-4-902854-61-9 C0010 A5判上製 224ページ 2009/7 発行  

誰もの問い「真善美」。西田哲学はどう考えたか ―― もうひとつの西田哲学入門
本文中のキーワードを下段に大量に抽出して索引化。本文→ 下段見出し→ 索引→ 別の箇所の本文へ。ハイパーテキストとなる書物の新たな可能性。(*大き目の活字のゆったりした組み体裁です)

◎収録論文◎ 美の本質/真善美の合一点/美と善/真と美/真と善

表紙画像 味読精読
十七条憲法
加藤咄堂 著 2,300円+税 人文
ISBN978-4-902854-60-2 C0021 A5判上製 160ページ 2009/6 発行  

日本的政治倫理の源流をたずねて
王権統一国家構築の時代に記された、日本最古の理論的政治思想文書。
仏・儒・道などの諸要素が混淆した漢文文書十七条憲法の思想を、仏・儒・道の三教に詳しい著者が、典拠および関連する古典を引用しつつ字義に即して詳しく講解。
あるいは称賛され、あるいは批判されながらも、千四百年の長きにわたり語りつがれ、いまなおその命脈を保つ、日本の社会的・政治的センスの源流。
現代語訳や読み下し文だけを示す本とは違い、1)白文漢文の原文 2)返り点つきの漢文 3)読み下し文二種(漢字一対一対応のものと、ひらがな多用のもの) 4)解説文の構成による精読志向。

表紙画像 楽読原文
三酔人経綸問答
併録合本化「中江兆民奇行談」
中江兆民 著 3,300円+税 人文
ISBN978-4-902854-59-6 C0095 A5判上製 240ページ 2009/5 発行  

洋学紳士君、豪傑君、南海先生の三人が、酒を呑みつつ戦わす、近代日本政治論議の原型。

●1965年以来現代語訳で読まれてきた、東洋のルソーこと中江兆民の代表作『三酔人』ですが、やはり名作は原文のリズムで読みたい。しかし、原文そのままではいかにも読みにくい。そこで、兆民節はそのままの「楽読原文」です。 ●「楽読原文」とは、楽に読める原文というほどのつもりの造語ですが、文字づかいや句読点の表記を変えることなどにより、「原文」と呼べる範囲内でなるべく読みやすくしようと試みたものです。ひと言でいえば「声に出して読んだら原文と同じ」だが、表記が違うということです。

表紙画像 山田国語学入門選書第@巻
日本文法学要論
山田孝雄 著 3,800円+税 人文・国文学
ISBN978-4-902854-56-5 C0081 A5判上製 288ページ 2009/3 発行  

「山田文法」の到達点の精髄。
近代日本語学に屹立する不滅の巨人、 「日本語に主語は必須か」論議の開拓者。
●「かかり」とは何か?――宣長の真価を読み破り「係助詞」の分類を立て、「は」の本質を明るみに出すとともに日本語における表現の本源的な力(陳述の力)を見出して、日本文法学に一大画期をなした理論をはじめとし、日本人の思考法を「長期の歴史において規定する」文法的核心を、一書においてシステマティックに簡潔に網羅する。
●言語には理性的な表現と感情的な表現がある事実の文法的意味を、歌で育った言語=日本語の深部からつかみ出し、「日本語に主語は必須か」論議をひらいた碩学。その文法理論のエッセンス。

表紙画像 山田国語学入門選書第A巻
国語学史要
山田孝雄 著 3,800円+税 人文・国文学
ISBN978-4-902854-57-2 C0081 A5判上製 272ページ 2009/3 発行  

「言葉」から掘り起こす日本思想史、山田国語学。
「日本語とは何ものか」をめぐる1500年史の要点。
古代から近代まで、日本語研究の歴史と主要論点・主要学説の流れを一書に示す。
漢文訓読に始まる国語の自覚、あるいは日本語の特性としてのテニヲハの発見。 仮名文字、五十音図、仮名遣い、活用、かかり…… その有機的関係がなす、国語学史という生命。
日本人はいかに日本語を自覚し、日本語となしたのか。
*下段に内容要約見出しを配し、本論の流れを俯瞰する入門書型の組体裁*

表紙画像 山田国語学入門選書第B巻
日本文字の歴史
山田孝雄 著 3,800円+税 人文・国文学
ISBN978-4-902854-58-9 C0081 A5判上製 240ページ 2009/4 発行  

漢字+かな表記はなぜ生れたか? なぜ我々はそれを使い続けるのか?
日本人の心性と不可分の書記システムがもつ歴史性とは何か。文法論や文章論からでは分からない、文字づかいから見える日本語の特異相。
「仮名の歴史を論ずる場合に万葉仮名の実体を研究せずしてただちに仮名の論に入るがごときものは、本末を顛倒し、源流を究めずしていたずらに末流に彷徨するものといわねばならぬ」――万葉仮名の革命性を詳説。
*下段に内容要約見出しを配し、本論の流れを俯瞰する入門書型の組体裁*

表紙画像 リオタール哲学の地平
リビドー的身体から情動-文へ
本間邦雄 著 3,200円+税 現代思想
ISBN978-4-902854-55-8 C0010 A5判上製 352ページ 2009/2 発行  

初の本格的リオタール論

マルクスが、フロイトが、絵画が、声が、情動が、リオタール哲学の風に乗って飛揚する。
――前期リオタールのキーワード=《リビドー的身体》と、後期リオタールのキーワード=《情動-文》で、リオタール哲学を横断。

附・リオタール主要著作ダイジェスト(37冊・50頁)

表紙画像 生田長江批評選集
超近代とは何か 第@巻 新と旧/第A巻 信と善
生田長江 著 各3,700円+税 人文・近代論
ISBN978-4-902854-53-4 C0095(上)
ISBN978-4-902854-54-1 C0095(下)
A5判上製 各352ページ 2009/1 発行 (書影は上巻)

国家主義に堕する前の初期 「超克派」
近代の超克の核心は何か? 超近代主義は反動・逆行か? ――元祖「超克派」からの回答。
第1巻(新と旧)……新事物崇拝イデオロギー批判。
第2巻(信と善)……宗教性・解放主義・性差別論の審問。
文芸+社会批評家であり、日本初のニーチェ全集を個人完訳で果たした生田長江の「超近代派」論集。

表紙画像 文語訳 ツァラトゥストラかく語りき ニイチェ 著
生田長江 訳
5,200円+税 哲学
ISBN978-4-902854-52-7 C0010 A5判上製 480ページ 2008/11 発行 品切

「我こそは神を無みする者ツァラトゥストラなれ」

日本初のニーチェ全集を個人完訳で果たした生田長江。
ニーチェ諸著作のうち『ツァラトゥストラ』だけは文語調の訳文が相応しいという、生田長江あえての選択。

版元品切

表紙画像 アミナダブ モーリス・ブランショ 著
清水徹 訳
4,200円+税 海外文学
ISBN978-4-902854-51-0 C0097 A5判上製 336ページ 2008/10 発行  

ブランショ長篇小説代表作、清水徹全面改訳単行本版。

だれかが街を通りかかる。とある家から彼は手招きされたように思う。彼は扉を押す。廊下にはいりこむ。玄関口に達する。これから、彼はなにを見出すことになるのだろうか、いや、なにかを見出すことができるのだろうか? 『アミナダブ』は、こうした探求の物語、はじめから探求それ自体を疑っている物語である。

表紙画像 中村屋のボースが語る
インド神話ラーマーヤナ
R・B・ボース、高田雄種 著 2,800円+税 人文・神話
ISBN978-4-902854-50-3 C0098 四六判上製 256ページ 2008/9 発行  

インド人が語る恰好のラーマーヤナ入門
インドとの交流が進む今、インドの代表的古典をとおして知っておきたいインド的精神の古層。
インド国内にとどまらず東南アジア一帯にも広く浸透し、バリ島観光名物の舞踏劇ケチャの題材ともなっているラーマーヤナ。
今なお日本語全訳のない浩瀚な大叙事詩のあらすじを、ボースの思想も交えながら語る、ラーマーヤナの概説書。
評伝『中村屋のボース』(中島岳志著)で一躍著名となったボースが、日印文化交流の基本として、インド的精神・思想の基層を紹介。

表紙画像 シンフォニア・パトグラフィカ
現代音楽の病跡学
小林聡幸 著 5,000円+税 人文・音楽
ISBN978-4-902854-49-7 C0073 A5判上製 256ページ 2008/9 発行  

精神構造体としての作曲家の姿
クラシック音楽フリークの精神科医がひらく、音楽批評+病跡学(パトグラフィー)の新領野。
20世紀クラシック音楽作曲界を病跡学的に広く見渡したイントロダクションと、8人の作曲家を個別詳細に論じる8つの章。 
附・各章音盤紹介。
ヤナーチェク、ロット、バルトーク、ランゴー、ペッテション、ナンカロウ、ツィンマーマン(B.A.)、シュニトケ。

表紙画像 近世日本哲学史
幕末から明治維新の啓蒙思想
麻生義輝 著 5,500円+税 人文・哲学
ISBN978-4-902854-48-0 C0010 A5判上製 320ページ 2008/7 発行  

日本哲学の発生を克明に描く唯一の書
「本書は日本の啓蒙哲学の形成を学問的に取扱った殆ど唯一のモノグラフィーとして永く学界に銘記さるべき労作である。」 ――丸山眞男評
平等と自由の思想、実証主義、個人主義はどのように日本に導入されたか。 先覚者の群像と近代高等教育機関の起源。
『西周哲学著作集』の編纂者による博捜の成果。

表紙画像 日本哲学の黎明期
西周の『百一新論』と明治の哲学界
桑木厳翼 著 3,800円+税 人文・哲学
ISBN978-4-902854-47-3 C0010 A5判上製 256ページ 2008/7 発行  

「哲学」という訳語が生まれた頃
フィロソフィアを「哲学」と訳した日本最初の哲学者西周(にし・あまね)の「百一新論」(百教一致の新論)が日本の近代化に持った意義とは何か。
西田幾多郎の京都学派に対して、東大教授として日本のアカデミズム哲学の基礎を築いた桑木厳翼。
桑木が残した論文・講演より、明治の哲学界に関する貴重な証言を選出した論文集。

表紙画像 地図から消えた国、アカディの記憶
『エヴァンジェリンヌ』とアカディアンの記憶
大矢タカヤス H.W.ロングフェロー 著 2,800円+税 西洋史・外国文学
ISBN978-4-902854-46-6 C0022 四六判上製 352ページ 2008/6 発行  

人々は追放され、そして戻った。フランス語は消え、そして蘇った。
仏二言語が真に共存する地域、美しい海岸と草地と森の「失われた国」。英仏植民地争奪戦で散りぢりにされ、しかし生きかえった人々の「国なき国」におけるアイデンティティと言語権。知られざるアカディ問題を歴史と文学の二側面から紹介する初の本格的成果。
19世紀アメリカの文豪ロングフェローがエヴァンジェリンヌの悲劇の人生をうたい上げる長編詩『エヴァンジェリンヌ』と、大矢タカヤスによる現地取材を踏まえた「アカディの歴史」の二部構成。

表紙画像 特許植民地会社制度研究
大航海時代から20世紀まで
大川周明 著 5,500円+税 人文
ISBN978-4-902854-45-9 C0022 A5判上製 272ページ 2008/5 発行  

アジア主義者大川周明の実証的歴史研究
近代世界システムあるいは資本主義世界経済500年の展開を担った、商業=軍事=国家複合体の論理と盛衰を、アジア主義者大川周明が俯瞰する。
英蘭東インド会社をはじめ、アジア、アメリカ、オセアニア、アフリカに進出した特許植民会社主要10社の検証。
満鉄東亜経済調査局の大川周明は、植民会社というものをどのように考えていたか?
論客大川周明の法学博士号論文(審査員・吉野作造ほか)。

表紙画像 大川周明道徳哲学講和集
道 人格的生活の原則 中庸新註
大川周明 著 2,800円+税 人文
ISBN978-4-902854-44-2 C0012 A5判上製 192ページ 2008/5 発行  

論客大川周明、その思想の根柢
自然法則と人間生活の関係、あるいは「天地人」について。
東京裁判のA級戦犯容疑者のうち唯一の民間人だった大川周明。 その大川がこの倫理思想の持ち主であることをどう考えるべきか。
「人格的生活の原則」で自己の倫理学の要点を簡潔に示し、「誠は天の道なり、これを誠にするは人の道なり」で知られる『中庸』を大川一流の視点から読解。
一般聴衆に向けて平易に語った講義録。

表紙画像 アジア主義者たちの声 上
玄洋社と黒龍会
あるいは行動的アジア主義の原点
頭山満、犬飼毅、杉山茂丸、内田良平 著 2,800円+税 人文
ISBN978-4-902854-41-1 C0021 四六判上製 320ページ 2008/3 発行 品切

当人たちの生の声からアジア主義を考える入門選集。
三つの世代、三つのテーマ構成でアジア主義の流れと論点を構造的に把握。
上巻は「第一世代」篇。

頭山満 1855-1944/犬養毅 1855-1932/杉山茂丸 1864-1935/内田良平 1874-1937
版元品切

表紙画像 アジア主義者たちの声 中
革命評論社
あるいは中国革命への関与と蹉跌
宮崎滔天、萱野長知、北一輝 著 2,800円+税 人文
ISBN978-4-902854-42-8 C0021 四六判上製 320ページ 2008/3 発行  

当人たちの生の声からアジア主義を考える入門選集。
三つの世代、三つのテーマ構成でアジア主義の流れと論点を構造的に把握。 
中巻は「第二世代」篇。

宮崎滔天 1870-1922/萱野長知 1873-1947/北一輝 1883-1937
*各巻独立した単行本としてお読みいただけます*

表紙画像 アジア主義者たちの声 下
猶存社と行地社
あるいは国家改造への試み
北一輝、大川周明、満川亀太郎 著 2,800円+税 人文
ISBN978-4-902854-43-5 C0021 四六判上製 320ページ 2008/3 発行  

当人たちの生の声からアジア主義を考える入門選集。
三つの世代、三つのテーマ構成でアジア主義の流れと論点を構造的に把握。
下巻は「第三世代」篇。

北一輝 1883-1937/大川周明 1886-1957/満川亀太郎 1888-1936
*各巻独立した単行本としてお読みいただけます*

表紙画像 実践哲学について
西田幾多郎文選
西田幾多郎 著 3,700円+税 哲学・人文
ISBN978-4-902854-40-4 C0010 A5判上製 288ページ 2008/1 発行  

これまで注目されてこなかった西田哲学の一論点――「私」と「物」の関係について。

自己を世界の外に置く立場から、自己が世界の中にある立場へ、あるいは観念論と唯物論をともにのりこえる場所的弁証法。「物となって考え、物となって行なう」、我と物との「矛盾的自己同一」すなわち「行為的直観」。

表紙画像 種々の哲学に対する
私の立場
西田幾多郎文選
西田幾多郎 著 3,700円+税 哲学・人文
ISBN978-4-902854-39-8 C0010 A5判上製 288ページ 2008/1 発行  

哲学史の中の西田哲学、あるいは「絶対矛盾的自己同一」の発見。

まとまった哲学者論の本を書かず、一途に自己の哲学創造に邁進した西田のテクスト群から、「種々の哲学に対し私の立場を明らかにした」諸篇を集成。

表紙画像 波多野精一宗教哲学体系
宗教哲学序論 宗教哲学 時と永遠
波多野精一 著 6,500円+税 哲学・人文
ISBN978-4-902854-38-1 C0010 A5判上製 480ページ 2007/12 発行  

他者と時間――波多野精一宗教哲学三部作集成
京都学派生成期に西田幾多郎の同僚として三木清らを育て、禅仏教の色彩濃い京都学派の空気の中で、キリスト教宗教哲学の立場を明示した不朽の三部作を一冊に集成。
哲学と宗教の深い関係を、哲学史および自己の哲学から体系的に呈示。仮面を被った自己である「他者」像を克服し、自己実現の具ではないものとしての「他者」へと向かう道を、人間存在が根源的に抱えている宗教性から探る。
それは、他者(ひと)か、客体(もの)か?――シンボルとリアリティの哲学。

表紙画像 日本的哲学という魔
戸坂潤京都学派批判論集
戸坂潤 著 2,800円+税 哲学・人文
ISBN978-4-902854-37-4 C0010 A5判上製 224ページ 2007/11 発行  

西田幾多郎、田辺元、和辻哲郎、三木清。 誰が、どのように、どの程度、問題か?
西田の「無」――無の論理。田辺の「種」――種の論理。和辻の「間」――間の倫理。
京都学派の生成と展開にあらわれた、近代日本への哲学導入における諸問題、その原風景。 いまなお日本に世界的水準の哲学が育ち難いことの淵源をさぐる。
戸坂潤の京都学派批判関連論考を網羅的に集成。

表紙画像 イデオロギーとロジック
戸坂潤イデオロギー論集成
戸坂潤 著 4,600円+税 哲学・人文
ISBN978-4-902854-36-7 C0010 A5判上製 448ページ 2007/11 発行  

イデオロギーとは何か? 基本的・原理的な考察。
時局評論の名著『日本イデオロギー論』(岩波文庫)を可能にした原理的イデオロギー論の二大主著、『イデオロギーの論理学』『イデオロギー概論』を中心に、戸坂潤のイデオロギー原論を集大成。 京都学派が生んだ唯 物論哲学者の批評理論の真髄。
単なる悪口ではないものとしてのイデオロギー、あるいはイデオロギー論の豊饒。論争的諸関係の真理を示す科学論としての原理的考察と、諸科学・哲学・新聞・大学等々をめぐる具体的現象の考察。
哲学者によるイデオロギー読本。

表紙画像 エッセンシャル・ニシダ 国の巻
西田幾多郎 日本論集
西田幾多郎 著 2,500円+税 哲学・人文
ISBN978-4-902854-35-0 C0010 A5判並製 224ページ 2007/9 発行  

敗戦後、多大の批判を受けてきた問題の論点。デモーニッシュなる歴史的生命、あるいは、近代日本のパッション。
西田はどう「間違っている」か?
1938.「日本文化の問題(講演版)」 /1940.「日本文化の問題(単行本版)」
1944.「国 体」(哲学論文集第四補遺) /1941.「国家理由の問題」
* 附) 全著書目次一覧=年代順論文リスト、語句・人名索引

表紙画像 エッセンシャル・ニシダ 命の巻
西田幾多郎 生命論集
西田幾多郎 著 1,900円+税 哲学・人文
ISBN978-4-902854-34-3 C0010 A5判並製 192ページ 2007/9 発行  

西田哲学全体をつらぬく根源的モチーフ、生命。
自己差異化する生命、あるいは、自己矛盾による創造。
1944.「生 命」
1936.「論理と生命」
1932.「生の哲学について」
* 附) 全著書目次一覧=年代順論文リスト、語句・人名索引

表紙画像 エッセンシャル・ニシダ 即の巻
西田幾多郎 キーワード論集
西田幾多郎 著 2,800円+税 哲学・人文
ISBN978-4-902854-33-6 C0010 A5判並製 512ページ 2007/8 発行  

BEST OF NISHIDA ―― 有名著作を一冊に
1945.「場所的論理と宗教的世界観」 /1943.「自覚について」 /1939.「絶対矛盾的自己同一」
1938.「人間的存在」 /1937.「行為的直観」 /1934.「弁証法的一般者としての世界」
1932.「私と汝」 /1931.「永遠の今の自己限定」 /1928.「述語的論理主義」 /1926.「場所」
* 附) 全著書目次一覧=年代順論文リスト、自著解説篇、語句・人名索引

表紙画像 タブーと法律
法原としての信仰規範とその諸相
穂積陳重 著 4,700円+税 人文
ISBN978-4-902854-32-9 C0039 A5判上製 288ページ 2007/7 発行  

距離と原-政治。――秩序=権力論の要諦、タブー
時代が進歩してもあらたに生まれ続ける「タブー」の本質とは何か? その諸相・種類はいかなるものか? 経験的危険回避から、信仰規範をへて、法制化にいたるその「進化」過程はいかなるものか? 「タブー」はいかなる領域に生じるか?
近代日本法学の重鎮が遺した、法人類学的「タブー」論の重要文献。
日本と中国の漢字文化における事例も豊富な、類なき業績。
穂積陳重の連作ライフワーク「法律進化論」中、「タブーと法律」の一篇を単行本化。

表紙画像 偶然と驚きの哲学
九鬼哲学入門文選
九鬼周造 著 2,300円+税 人文
ISBN978-4-902854-31-2 C0010 A5判並製 192ページ 2007/6 発行 品切

「哲学は驚きに始まり驚きに終わる」
『「いき」の構造』で知られる九鬼周造における哲学的主題「偶然性」。
主著『偶然性の問題』以降に書かれた偶然と驚きをめぐる諸論考が、九鬼晩年の到達点「偶然と驚きの哲学」という場所を示す。
それぞれが独立した一本として読める、入門に最適の短篇集。

版元品切
増補新版アリ

表紙画像 憂い顔の『星の王子さま』
続出誤訳のケーススタディと翻訳者のメチエ
加藤晴久 著 2,200円+税 文芸・翻訳
ISBN978-4-902854-30-5 C0085 A5判並製 256ページ 2007/5 発行  

噂の真相!
「定番」内藤濯訳は悪訳という噂は本当なのか?「定番」に対抗して続出した新訳はどうなのか?
よい翻訳とは先ず第一に正しい翻訳であること。『星の王子さま』を真摯に愛する読者のために、“読み継がれて50年”の「定番」内藤訳と、新訳14点を具体的に検証。
「業界」は読者を欺いていないと断言できるか?
問題箇所を理解して、あなたの手元の『王子さま』を笑顔に変えるガイドブック。

表紙画像 真説 レコンキスタ
〈イスラームVSキリスト教〉史観をこえて
芝修身 著 3,800円+税 人文・歴史
ISBN978-4-902854-29-9 C0022 A5判上製 256ページ 2007/5 発行 品切

レコンキスタは「聖戦」に非ず
世界の最新研究成果を踏まえ、誤ったレコンキスタ像を修正。
宗教対立ではなく社会経済的要因による領土拡大という真相。
大航海時代に始まる西欧拡張の500年へと向かう、「西欧世界・イスラーム世界境界画定」の500年史。

版元品切

表紙画像 奪われたるアジア
歴史的地域研究と思想的批評
満川亀太郎 著 5,500円+税 人文
ISBN978-4-902854-28-2 C0022 A5判上製 384ページ 2007/4 発行  

北一輝、大川周明とともに「猶存社三尊」と呼ばれた満川亀太郎の主著
アフリカから太平洋までを括る、世界史概念《アジア》とは何か? アジア主義地域研究の代表作。 今なお引きずる近代アジア地政学問題の起源。類を見ない、網羅的・総体的・個別具体的検証。満川亀太郎、幻の主著、初の復刻(原本1921=大正10年刊)。

(解説)クリストファー・W・A・スピルマン+長谷川雄一

表紙画像 師弟問答 西田哲学 西田幾多郎 三木清 著 1,500円+税 人文・哲学
ISBN978-4-902854-27-5 C0010 四六判上製 128ページ 2007/2 発行  

響きあう言葉、師を思う言葉――ひとつの、西田哲学入門
理解しあう師弟ならではの、親密・卒直で、内容と含蓄のある、打てば響く名問答。
著作物としての厳密さの観点から西田全集には収録されてこなかったものの、興味のつきない内容。 ひとつの西田哲学入門として一般読書界に送る小選集。
対談では控えめで的確な問者に徹する三木清の、西田論の全てを併録。

表紙画像 三木清批評選集
東亜協同体の哲学
世界史的立場と近代東アジア
三木清 著 5,500円+税 人文・哲学
ISBN978-4-902854-26-8 C0010 A5判上製 480ページ 2007/2 発行  

自滅、中断した、世界史的革新理念――新生への指針
十五年戦争期、最も困難な時期において探究された、東アジア協同体、その可能性の中心。
近代的、すなわち抽象的、自由主義的、個人主義的世界主義と対抗ナショナリズムを止揚し、新しい世界主義への道を拓く哲学とは? 関連論考を網羅した、初の三木清「東亜協同体」テーマ選集。

表紙画像 頭山満談 頭山満直話集 薄田斬雲 編著 2,800円+税 人文
ISBN978-4-902854-25-1 C0095 四六判上製 288ページ 2007/1 発行 品切

政府監視人、頭山満。 回顧談的一代記。
伝説化、脚色されがちな頭山の、稀少な直話記録集。
ボース救出事件をめぐるボースと内田良平の直話併録。
《私は無精者で、自分の事を話そうと言うて話した事はない。七、八年前、玄洋社の者が、書きたいから話をして呉れと言うたのを書かせなかった。これまで、雑誌や何かの本に出た私閲歴に関した話というのは、大抵また聞きじゃろう。……ま、そうじゃ。これが、自分で自分の事を語る初めてじゃ。》

版元品切

表紙画像 犬養毅の世界
「官」のアジア共同論者
犬養毅・鵜崎熊吉 著 3,500円+税 人文
ISBN978-4-902854-24-4 C0095 A5判上製 272ページ 2007/1 発行  

アジア共同の理念に動く――
「野」には滔天、頭山満、「官」には犬養毅あり
「憲政の神様」と賞賛され、5.15事件の「話せばわかる」伝説の最期で知られる、飄々毒舌、直球型の首相。
山県有朋が「自分のもとを訪れないのは頭山満と犬養毅だけだ」とこぼしたとの話も残る独立志向。
東洋趣味に根ざす政治思想から東アジア再興の経綸を抱き、孫文、ボースらを保護、日中親善に努力した近代日本異色の政治家。その横顔・論点・思想を示す、稀少な「犬養読本」。

表紙画像 内村鑑三小選集
愛国心をめぐって
普遍の愛と個別の愛
内村鑑三 著 2,600円+税 人文
ISBN4-902854-23-6 C0095 A5判上製 224ページ 2006/12 発行  

人類愛と自国愛。 二つのものか、一つのものか?
二つのJ(JesusとJapan)への愛に生きた内村鑑三のロジックから考える、普遍愛と個別愛の両立性、国と道徳の関係性、国の大小、その盛衰。
「愛国心について」「非戦論と無抵抗主義について」「日本について」「国について」「近代人について」「伝統思想と武士道について」の構成による、愛国心をめぐってのエッセー集。

表紙画像 其日庵の世界
其日庵叢書合本
杉山茂丸 著 4,700円+税 人文・文芸
ISBN4-902854-22-8 C0095 A5判上製 384ページ 2006/11 発行  

ホラ丸ワールドの真義と奥義――其日庵叢書第一編+第二編
辛抱の学、法螺の道、借金の業、義太夫、刀剣。
怪人・其日庵杉山茂丸が「暴論」をもって問う開国日本の病理。 近代日本神経衰弱、荒療治。 其日庵流人間学のエッセンス。
附・長文解説「法螺丸の虚実」坂上知之
《解説目次》 法螺丸とは何者か……法螺丸のホラ、その本質……勤王党隠忠派現実主義……座談の魔、著述の魅

表紙画像 味読精読 菜根譚
前集(処世交際の道)/後集(閑居田園の楽)
洪自誠 原著/加藤咄堂 著 3,300円+税(前)
2,200円+税(後)
人文・文芸
ISBN4-902854-20-1 C0014(前集)
ISBN4-902854-21-X C0014(後集)
A5判上製 384ページ(前集)
224ページ(後集)
2006/10 発行 (書影は前集)

儒教+仏教+道教――東洋伝統思想の結晶『菜根譚』の本格的道案内
平凡を愛する穏やかな思想で人気の処世哲学書を読み込む。
前集225条、後集134条、一条ごとに独立した、短文の箴言集。文庫版原典からさらに深く読み進めたい『菜根譚』愛読者のための、儒学と禅仏教に詳しい加藤咄堂による、いま望みうる最も豊かな『菜根譚』読本。

表紙画像 死生観
史的諸相と武士道の立場
加藤咄堂 著/島薗進 解説 3,200円+税 人文
ISBN4-902854-19-8 C0014 A5判上製 288ページ 2006/9 発行  

死生観史論の古典――
キーワード死生観はこの書から始まった(解説・島薗進)
伝統的議論の終着点/近代的議論の出発点。
1)武士道の価値観を説きながら、その立場を比較文化論的に定位。
2)科学の時代に武士道死生観を評価する意味のありかを考察。
3)おのおのの死生観を語る先人の生の言葉、詩歌をふんだんに引用。
4)伝統的価値観と今の価値観の分岐点を探るよすがに。

表紙画像 さなぎとイマーゴ
ボードレールの詩学
岩切正一郎 著 3,500円+税 詩学・評論
ISBN4-902854-18-X C0098 四六判上製 384ページ 2006/8 発行  

泥をこねて黄金をつくる。
傷ついたままの幸福の技法とは何か?
予備知識不要、ボードレール・ワールドへの直行便。ボードレールの詩作品をふんだんに引きながらのボードレール読み解き旅行。
詩を読むこと、詩を書くこと、この言語行為は人間にとってどんな意味があるのか――ボードレールと考える。

表紙画像 百魔(正続完本) 杉山茂丸 著 8,500円+税 人文・文芸
ISBN4-902854-17-1 C0095 A5判上製 864ページ 2006/8 発行  

夢野久作、問題の父。 頭山満、無二の盟友。
異形の怪人其日庵、幻の主著完全版。
天使的魔人たち、百魔男女の奇譚集。人間の底力という《魔》を謳う異色文芸、稀世の近代武士道文学。続篇を加えた完全版。
正篇は、著者が交際した同時代人との交友録を中心とした、規格外の人道に生きる百魔男女の、心おどらす物語。
続篇は、著者少年時の思い出と古老の昔語りを中心とした、死生の境を生きぬいた百魔男女の、心に沁みる物語。

表紙画像 滔天文選
近代日本の狂と夢
宮崎滔天 著 3,800円+税 人文
ISBN4-902854-16-3 C0095 四六判上製 416ページ 2006/6 発行  

アジア的近代文学という論点、戯文という滔天思想の真面目(渡辺京二解説)
《滔天宮崎寅蔵はふつう孫文と親交のある中国革命援助者として知られる。しかし彼には並々ならぬ文才があって、彼が書き遺した戯文は、明治・大正期のわが国の文学において、ひとつの椅子を要求してしかるべきものだと私はずっと信じて来た。》
《滔天に文章の才があったことは明白である。達意にして奇想に富み、歯切れよくしかも賑やかである。たのしんで読むに足る文章であるが、戯文はときに真摯な思考の道具ともなりうる。たのしみつつ、ときには考えを凝らして読んでいただくならば、文章家滔天は泉下にほほえむであろう。》 渡辺京二

表紙画像 俗戦国策 杉山茂丸 著 5,000円+税 人文
ISBN4-902854-15-5 C0095 四六判上製 608ページ 2006/4 発行  

『百魔』と双璧をなす、其日庵・杉山茂丸の大作主著
豪快奇談――明治大正、重大国事、秘史外伝。
政財界の舞台裏。縦横の策を講じ、伊藤博文、山形有朋らの元老を、無私の誠で操った、影武者「ホラ丸」回顧録。

表紙画像 評伝 宮崎滔天 渡辺京二 著 3,200円+税 人文
ISBN4-902854-14-7 C0023 四六判上製 384ページ 2006/3 発行  

『逝きし世の面影』の渡辺京二における根本問題と、滔天の「落花」の人生が響き合う名評伝新版
「情の人、豪傑」と見られがちな宮崎滔天を、デリケートな「知の人」ととらえ、その逆説的な批評精神の真価を、「ワマカシ精神」(己れを馬鹿にしきって、人を馬鹿にし、世を馬鹿にする)をキーワードに描き出す。
渡辺京二のロングセラー『北一輝』と双璧をなす傑作評伝。滔天が中国革命運動の「泥土にまみれる落花」として生きた日本とアジアの維新とはいったい何であるか?
アジア共同論の源流――滔天の〈大アジア主義と国家主義を超える視線〉を読み解く。(初版1976年 大和書房刊)

表紙画像 宮崎滔天 アジア革命奇譚集 宮崎滔天 著 3,500円+税 人文
ISBN4-902854-13-9 C0095 四六判上製 384ページ 2006/3 発行  

アジア共同論の源流――大アジア主義と国家主義を超える視線
アジア革命への中国革命に挺身した滔天が、フィクションに昇華させたその思想。西欧植民地主義の時代、世界の中でアジアたることは何なのか? この問いをつきつけられて、東アジア共通の大課題を日中民間共同の中国革命として果す試みがあった。あるいはたおれ、あるいは発狂――スケール違いの真摯な面々を謳う滔天一流のリズミカルな節回し。孫文が最も信頼した日本人滔天の隠れた名篇。
熱血少年の晴れやかなビルドゥングスロマン、『明治国姓爺』。 主義・宗教のダークな深みにはまった、ナポ鉄・釈迦安(シャカやす)・道理満(どうりマン)の末路、『狂人譚』。 冗談か? 真剣か? そのスタイルに賭けられた宮崎滔天の批評精神。

表紙画像 頭山満言示録 頭山満 著 3,300円+税 人文
ISBN4-902854-12-0 C0095 四六判上製 320ページ 2006/1 発行 品切

西郷南洲思想の継承者が「死生の哲理」西郷思想を読み解く
*西郷遺訓全文および夢野久作の頭山満論を併録
民権論で起ち、東洋を侮る西欧列強とそれに追従する日本人への批判勢力のシンボルとして、かつて広く慕われた頭山満。 その言葉を記した往年の談話集数篇よりエッセンスを再構成した言志録。
GHQによる「侵略戦争推進団体玄洋社」の定義に従い闇へと葬られてより半世紀の今、頭山自身の言葉で頭山世界を玩味する入門書。近代日本における超ソロバン主義、反アタマ数主義の意味とは何か?

版元品切

表紙画像 出版巨人創業物語 佐藤義亮 野間清治 岩波茂 著 2,800円+税 出版
ISBN4-902854-11-4 C0095 四六判上製 384ページ 2005/12 発行  

文の雄(新潮社・佐藤義亮)
談の雄(講談社・野間清治)
学の雄(岩波書店・岩波茂雄)
大物たちの無謀な事始めの自伝集――現代出版界の原点確認。
三者三様、各分野で一家をなした三人の、これまで一般の目に触れること少なかった貴重で面白い体験談を収録。
出版業界の「素人」、そして若輩こそがなしえた偉業の原点とは? 百年の歴史を経て今なお堂々たる大版元の業界三大個性が、その「始まり」において共有するものとは? ハウツー編集・出版論ではない、時代をつらぬく根元の話。

表紙画像 安藤昌益 狩野亨吉 著 1,500円+税 人文
ISBN4-902854-10-4 C0010 四六判上製 128ページ 2005/11 発行  

安藤昌益/歴史の概念/科学的方法に拠る書画の鑑定と登録
安藤昌益の発掘者が遺した不朽の古典的名エッセー「安藤昌益」
「昌益に関心をもったら先ずこれを」という基本文献とされながら、手に入れにくかった「安藤昌益」ほか。一冊の著書も遺さずして、称賛され続ける百科全書的碩学の珠玉エッセー小選集。
のちに関東大震災で焼失してしまう『自然真営道』原稿本全百巻を発掘・所持・精読した碩学狩野だけが書きえた、簡潔で深みある昌益思想への永遠のイントロダクション。
「官」を厭い、一高校長〜京大学長の一流コースに43歳で断然訣別した奇人。物理学的実証精神により歴史・哲学・宗教・心理・芸術・政治を貫く稀代の思想。――争いを用いずに不正を抑えるコツとは何か?

表紙画像 イラン・イスラーム体制とは何か
革命・戦争・改革の歴史から
吉村慎太郎 著 3,800円+税 人文
ISBN4-902854-09-0 C1022 四六判上製 384ページ 2005/10 発行  

「次はイラン」――アメリカの覇権主義に徹底して抗うイランとはどんな国なのか?
この四半世紀のイランを観察し続けてきた研究成果と、19世紀以来の歴史を踏まえ、イスラーム革命とイラン・イラク戦争の原因を歴史学的、政治学的に分析。
1979年ホメイニー革命以降のイラン・イスラーム共和国の困難な歩みを国内政治、国際政治の両面からとらえ、複雑な事情を抱えるその姿を総合的に呈示する初の成果。
米国の国際行動を見通すうえで不可欠の論点、“悪の枢軸、大国イラン”。“保守派”、“改革派”等、国内のせめぎあいの現実も詳しく紹介。(附・主要人物紹介・年表)

表紙画像 ブランショ小説選
謎の男トマ 死の宣告 永遠の繰言
モーリス・ブランショ 著
菅野昭正、三輪秀彦 訳
3,500円+税 文学・人文
ISBN4-902854-08-2 C1097 四六判上製 416ページ 2005/9 発行 品切

ブランショのDNA『謎の男トマ』が読める(全面改訳)!
鬼才モーリス・ブランショの代表的中・短篇小説選。
言葉と恋と死の話。
言語と人間存在をめぐる謎の海へと回帰する、カタストロフィックな創世記。ここから「ブランショ」が始まる代表作中の代表作『謎の男トマ』。読みやすさで人気のある『死の宣告』『永遠の繰言』。
永遠の再読を促す、小説という姿の哲学。ブランショ小説との出会いのためのセレクション。

版元品切

表紙画像 北一輝思想集成
国体論及び純正社会主義 日本改造法案大綱 対外論策篇 2.26事件調書・抄
北一輝 著 4,800円+税 人文
ISBN4-902854-07-4 C0021 四六判上製 864ページ 2005/8 発行  

北一輝の姿をつかむ基本選集。

『国体論及び純正社会主義』発刊=発禁から百年。日本近代権力の頂点に抗い続け、終には命をとられた民間人。状況批判のみならず代替案を示し行動した稀代の実践知性。百年の距離をおいて再考に価する、日本近代史上に類なき問題の遺産。
初の新漢字・ひらがな表記補助ルビ使用等で読みやすい現代版。

表紙画像 イスラーム概説 ムハンマド・ハミードッ=ラー 著
黒田美代子 訳
2,800円+税 人文
ISBN4-902854-06-6 C1014 四六判上製 448ページ 2005/7 発行  

イスラームとは何を考え、何を実践するものなのか?
十数言語に翻訳される、世界で最も定評ある正確な入門書。 クルァーン(コーラン)からの引用をまじえ、キーコンセプトを具体的にバランスよく紹介。
イスラーム諸学に精通したムスリム法学者が、パリ・イスラーム文化センターの求めに応じ、一般向けの文明紹介として書き下ろした名著。イスラームの日々の行ないの実際と、イスラームの歴史を具体的に詳述。
書き手の問題関心に限られたイスラーム入門書が多いなか、最高水準の知識と、長年の西欧生活で体得した「他者の視線」を兼備した、稀代の総合的概説書。

表紙画像 私についてこなかった男 モーリス・ブランショ 著
谷口博史 訳
3,200円+税 文学・人文
ISBN4-902854-05-8 C1097 四六判上製 320ページ 2005/4 発行  

モーリス・ブランショの小説作品、最後の初訳出版。数あるブランショの小説作品の中で、言語の謎を探究するブランショの個性がもっとも研ぎ澄まされたかたちをとった、哲学小説。
〈私〉と言葉のあいだで不確定に錯綜する、主体・人称、時、空間。〈私〉と〈私である彼〉とのダイアログ。
ブランショ論者・訳者として確かな歩みを重ねてきた訳者による澄明な翻訳と、“ブランショ・漱石・類似”をめぐる長篇解説「全能にして無力な語り手(たち)」を付した、ブランショ読解をめぐる新たな一歩。
普通のことが普通でなくなる普通の言葉で書かれた世界で、静かな静かな狂気に耳を澄ます。――「私についてこなかった男」とはいったい誰なのか?

表紙画像 『モモ』と考える時間とお金の秘密 境毅 著 2,600円+税 人文・経済
ISBN4-902854-04-X C0036 四六判上製 288ページ 2005/3 発行  

「なぜなら時間とはいのちだからです。そしていのちは心に住まうのです。」(ミヒャエル・エンデ『MOMO』)
時間とお金がもっている、よく考えれば不思議でもあり恐ろしくもある「神秘」の正体とは?
「仕事への引きこもり」と「自室への引きこもり」へと世間が二極分化し、そのはざまでフリーター、うつ病が増加している……。身近でも世界でも世の中がイライラしていることの深いわけを、エンデの『モモ』といっしょに、「経済・社会・文化の問題」=「時間の問題」として考えてみませんか?
「価値形態論」と「物象化論」の視角もまじえたユニークな本格謎解き。
『モモ』の語りとエンデの語りをひきながら、『モモ』未読の人も「なるほど」と読める、『モモ』的世界像への招待。
「時間がない」とはどういうことなのだろうか?*ミヒャエル・エンデ(1929-95)歿10年記念*

表紙画像 イラク戦争への百年
中東民主化の条件とは何か
黒田壽郎 編 2,800円+税 人文
ISBN4-902854-03-1 C1022 四六判上製 320ページ 2005/1 発行  

黒田壽郎・眞田芳憲・陶常道・櫻井秀子・北村文夫・黒田美代子 著
アメリカ単独主義の《大中東構想による民主化》は無事達成できるのか? 全中東のパレスティナ化に至ってしまうのか?
焦眉の中東問題の世界史的深層へ。 パレスティナ問題の発端から中東戦争、湾岸戦争、9.11テロ、アフガン・イラク侵攻〜復興まで。
現地の立場をよく知る執筆陣が、アメリカの武力行使とイスラームの関係、中東問題の根源にある「イスラエル問題」、現地に生きる人びとの歴史・現状と状況認識などの論点を掘り下げ、イラク復興やパレスティナ問題の今後を展望。

表紙画像 言語と文学 モーリス・ブランショ/ジャン・ポーラン/内田樹/山邑久仁子 著
野村英夫/山邑久仁子 訳
3,800円+税 人文
ISBN4-902854-02-3 C1098 四六判上製 416ページ 2004/12 発行  

言葉で言葉を超えることは可能か? 誰もかなわない、文学=哲学の極点、モーリス・ブランショ、『文学はいかにして可能か』。
『O嬢の物語』の実作者と長く噂された文学界の伝説的黒幕ジャン・ポーラン、『タルブの花』。「文学はいかにして可能か」は暗号で書かれた政治的テクストでもあるという、内田樹の的確・大胆な読み。
法=掟と自由、共同体なき共同体、コミュニケーションの不=可能性……、逆説に満ちたブランショ的反抗の核心に、ブランショ初期からの言語についての徹底的な思索が埋め込まれていることを示す、ブランショワールドの始原へのいざない。小社オリジナル作品選。

表紙画像 ひとつの町のかたち ジュリアン・グラック 著永井敦子 訳 3,300円+税 文学・人文
ISBN4-902854-01-5 C1098 四六判上製 288ページ 2004/11 発行  

地図の町とは似ても似つかない、ひとの数だけある心のなかの町のかたち。
少年と町、そして心の形成と変容をめぐっての、エキセントリックでも相対主義的でもない思想とリアリティ。  ゴンクール賞受賞拒否事件で知られる、地理学者でもあるシュルレアリスム系の文豪、後期主著初訳。
自己の過去と取り結ぶユーモアある清々しい関係が、「過去→現在→未来」の常識を一新し、自己と世界をつくりかえてゆく。  「少年と町」の記憶と無数の文学作品の引用が呼応する、創造的な思い出の旅。

表紙画像 イスラームの構造
タウヒード・シャリーア・ウンマ
黒田壽郎 著
3,800円+税 人文
ISBN4-902854-00-7 C1014 四六判上製 416ページ 2004/10 発行  

井筒俊彦以後のイスラーム文明・経済論の画期作。世界史の今をとらえるための、「教養としてのイスラーム理解」の新しいスタンダード。イスラームという文明の営みの全体的な「構造」を発見。これまでの各論的なイスラーム宗教論や哲学論、地域限定的・時代限定的なイスラーム論に一線を画す。 タウヒード(世界観・存在論=価値観の基本)、
シャリーア(法律・経済=社会運営)、
ウンマ(共同体=共に生きるかたち)の有機的連関がつくる
三極構造を明快に説く、世界にも類を見ない成果。 構想十年、満を持しての体系的書下ろし、ついに刊行。


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